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八条学園騒動記

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第七百二十三話 狼へのイメージその七

「ロボとその群れに仕掛けたが」
「失敗したのですね」
「そうだった」
「ロボは見破りましたか」
「そうしたのだ」
「怖ろしい狼ですね」
 上等兵もその話を聞いて唸った。
「狼は確かに賢いですが」
「それでもだな」
「そうするとは。しかもカプセルに毒を入れて」
「匂いをしない様にしたがな」
「狼は鼻がいいので」
「それで見極めるがな」
「そうさせない様にしてもですか」
 唸りながら言うのだった。
「ロボは見破ったのですね」
「そうだ、そして最後捕えられてもな」
 シートンは勝った、偉大な狼との知恵比べの葉てに。
「最後まで誇りを失わなかった」
「だから連合では人気があるのですね」
「今もな」
「そうなのですね」
「そして他の狼もだ」
 彼等もというのだ。
「ロボ程ではないがな」
「賢いですね」
「だから確実に餌が貰えるならな」
「それでいいですか」
「連合はそこからさらにだ」
 餌付けをしてというのだ。
「家畜にすることもだ」
「しますか」
「そして驚異を取り込むことをな」 
 自分達の方にというのだ。
「する国だ」
「怖ろしい叡智ですね」
「そうだな、その叡智を備えているのがだ」
 それがというのだ。
「連合だ」
「そういうことですね」
「そして狼もわかっているのだ」
「どういった生きものか」
「だから怖いとはな」
 その様にはというのだ。
「思っていない」
「そうなのですね」
「エウロパと違ってな」
「エウロパでは」
「狼は悪役だがな」 
 童話等でというのだ。
「そこが違うのだ」
「むしろいい役ですね」
「連合の童話では多くの生きものが出て来る」
 そうだというのだ。
「その中に狼も出て来るが」
「常に悪役ではないですね」
「そのことも覚えておくことだ」
「わかりました」
 確かな声でだ、上等兵も答えた。
「それも連合ですね」
「この国だ」
「そうですか、ただ」
「どうした」
「いえ、狼とシェパードは」
 その狼を観つつ言うのだった。
「こうして観てみますと」
「変わらないな」
「日本の多くの犬も」
「秋田犬や甲斐犬だな」
「柴犬も」
 こうした犬達もというのだ。 
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