イベリス

「だからよ」
「尚更なのね」
「言わないことよ」
「自分は」
「お友達が失恋したら寄り添って」
「そうでない人はそっとしてておく」
「そうしてね、まあ恋愛って本当にね」
　愛はまた笑顔で話した。
「辛いこともあるけれど」
「失恋とかしたら」
「基本凄く甘いのよ」　
　そうしたものだというのだ。
「だから咲ちゃんもね」
「経験したらいいの」
「物凄く幸せになれて人生の勉強にもね」
「それにもなのね」
「なれるから」
　だからだというのだ。
「本当にね」
「楽しんでいけばいいのね」
「ええ、全力でね」
「全力なの」
「何でも全力で向かってこそでしょ」
　愛は咲に笑って返した。
「世の中って」
「だから恋愛もなの」
「そうよ」
　まさにというのだ。
「だからね」
「全力で向かって」
「楽しんで」
　そうしてというのだ。
「甘いものもよ」
「味わうのね」
「そうするものなのよ」
「それでお姉ちゃんもそうしてきたの」
「私なりにね」
　笑顔での返事だった。
「そうなのよ」
「そうだったのね」
「だから咲ちゃんも」
「恋愛は全力で」
「やって楽しんで」
　そしてというのだ。
「甘い思いもね」
「することね」
「そうよ、それで転んでもね」
「泣いても」
「泣き終わってね」
「また前になのね」
「歩くものよ」
　こう従妹に言うのだった。
「いいわね、あとファッションも変わるわよ」
「恋愛したら」
「自然と相手の好みにね」
「合せる様になるの」
「そうもなるわよ」
「そうなの」
「私の今のは違うけれどね」　
　愛は今の自分のファッションについては笑ってこう述べた。
「こっちは」
「大学入って」
「それでよ」
「今のファッションになったのね」
「そうなの、色々派手にして」
「目立つ漢字にしたのね」
「メイクもそうしてアクセサリーだってね」
　こちらもというのだ。
「色々付けてね」
「ミニスカにしてカラータイツとか穿いて」
「ヘアースタイルもそうしてね」
「全部変えたわね」
「けれどこれもね」
　ファッションのこともというのだ。