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神々の塔

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第四十二話 血に酔い痴れる女神その二

「後で洗い落として清める」
「そうしたものですね」
「その通りやな」
 トウェインもそれはと頷いた、彼も自信の神具であるサンダーバードの背にいる。見れば今の階は雲の上で皆それぞれの神具の背にいる。
「ほんま血は酔うもんやない、出た血は早くや」
「輸血ですね」
 サンダーバードが応えた。
「すぐに」
「幸い種族が違っても血液型が一緒やと輸血出来るな」
「この世界は」
「子供は出来んでもな」
 異種族間でだ、これは遺伝子でのことだ。
「それでもな」
「輸血は出来ます」
「そやな」
「そしてそれがですね」
「有り難い」
 トウェインは真顔で述べた。
「ほんまな」
「輸血の際にも」
「これで種族が違ってな」
 それでというのだ。
「それぞれの種族間でしかや」
「輸血が出来ないと」
「ほんま困ったわ」
「例えば人間の血が必要でも」
 サンダーバードはここでこう言った。
「それでもエルフやドワーフの血しかなく」
「同種族間でしか輸血出来んとな」
「その人は死にますね」
「そや、咄嗟に献血してもらってもな」
 この場合は人間である。
「ひょっとしたらその時は助かってもな」
「輸血してくれた人がですね」
「若し血で感染する病気やったら」
 それを持っていればというのだ。
「後でや」
「厄介なことになりますね」
「それな、加熱せんとな」
 献血用の血もだ、施も言った。
「血も危ないからな」
「熱消毒ですね」 
 彼が乗っている白澤が言って来た。
「それをですね」
「せんとな」
「折角の血もですね」
「危ないさかいな」
 だからだというのだ。
「そうしたこともな」
「しっかりとしないとですね」
「あかん、咄嗟の献血は有り難いが」
「リスクも伴いますね」
「そやから最初からな」
「献血用の血のストックは必要ですね」
「それで異種族間での輸血があかんかったら」
 そうであったらというのだ、施にしてもこの世界では人間ではないので自分のことに当てはめてよくわかることだった。
「もうな」
「大変なことになりますね」
「そやった、ほんまよかった」
 施も心から言った。
「異種族間でも輸血出来て」
「それで、ですね」
「よかったわ」
 心から言うのだった。
「ほんまな」
「いや、これはね」 
 アレンカールはケツアルコアトルの背から言った。
「神霊さん達の配剤ね」
「そうですね、若しです」
 そのケツアルコアトルも応えた。 
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