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ドリトル先生の落語

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第十一幕その十一

「一度読むと」
「忘れられないんだ」
「頭から離れないよ」
 そうなっているというのです。
「本当にね」
「そうなったら勝ちだね」
 まさにとです、王子は言いました。
「漫画家さんの」
「そうだよ、テレビのお笑いなんて頭に入らないね」
「そうだよね」
「面白くなくてね」
 まさにその為にというのです。
「観てもね」
「頭に入らなくて」
「一瞬で忘れるよ」
「そんなものだね」
「けれどそうした漫画は」
 こちらはというのです。
「本当にね」
「勝ってるね」
「そうだよ、努力もね」
 これもというのです。
「出てね」
「それでだね」
「面白いんだ、才能があって」
「その才能を努力で磨いているから」
「いいんだ」
「ギャグ漫画はだね」
「あと面白いものは面白いってね」
 その様にというのです。
「評価して何でもつまらないとかね」
「そう言うのはだね」
「これは違いがわかるとかじゃなくて」
 そうでなくてというのです。
「何でもないよ」
「批評でもだね」
「ただ作品を悪く言うなんてね」
「誰でも出来ますね」
「そう、けれどね」 
 それでもというのです。
「口を開けば作品をけなす、落とす」
「そんな人の言葉聞きたくないですね」
「こんな人は自分は何もしないから」
「碌な人にもですね」
「ならないよ」
 そうだというのです。
「まず確実にね」
「そんなものですね」
「面白くないと言われても」
「やってる人の方がかな」
「いいに決まってるよ」
 先生は断言しました。
「漫画だってそうだよ」
「ひいては落語もかな」
「少なくとも笑わせようと思って」
 そしてというのです。
「全力でやってるならね」
「そうした人の方がだね」
「断然ね」
 まさにというのです。
「悪く言うだけの人とはね」
「全く違うね」
「住んでいる世界がね」
「そこまで違うんだ」
「偉そうに何でも落として言う人はそれで満足して」
 それでというのです。 
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