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おじさん妖精

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第二章

「お昼には帰るから。それで三時はね」
「ティータイムでもね」
「この支社でもあるね」
「欠かさず」
「三時の紅茶とティーセットがないと」
 さもないと、というのだ。
「やっぱりね」
「イギリスではしっくりこないですよね」
「だから三時にね」 
 この時にというのだ。
「どうかな」
「お願いします、お菓子持って行きますね」
 ティーセットのそれをとだ、羽柴は笑顔で言ってだった。
 そのうえで日曜の三時にエクレア、ティーセットの為のそれを持って行ってプランタジネットの家に行った。彼の家はロンドンのバジルドンにあった。
 そこに行くとだった。
 彼の妻と息子に歓迎してもらい妖精を紹介してもらったが。
「わしに会っても別に何もないぞ」
「あれっ、妖精って」
 ティーセットが置かれていているテーブルの上に掌位の大きさの老人がいた、赤い三角棒を被り赤と緑のタートンチェックの上着と青い膝までのズボンを穿いている。顔は皺だらけの老人で白く長い髭を持っている。
 靴を履いているが脛が丸見えで。
「脛毛濃いな」
「いや、普通だろう」
 妖精はこう返した。
「というかあんたアジア系だな」
「日本人だけれど」
「アジア系は毛が薄いからな」
「ああ、白人の人は濃いね」
「それでわしも人間で言うと白人だからな」
 それでというのだ。
「髭はこうで胸毛も胸を覆っておってな」
「脛毛もか」
「この通りじゃ」
「そうなんだな」
「そうじゃ、こっちでは普通じゃ」
「そうなんだな」
「レプラカーンっていうんだ」
 ここでプランタジネットが言ってきた。
「この妖精さんの種類はね」
「レプラカーン?」
「そうだよ」
「あの、妖精って羽根が生えていて美少女の」
「それはフエアリーだね」
 プランタジネットはすぐに答えた、今は家にいるのでラフな服装だ。
「フェアリーもいるよ」
「こちらにですか」
「うん、お茶の時間だからもうすぐね」
「こっちに来てくれますか」
「今からね」
「それじゃあ」
 その妖精に会おうとだ。
 羽柴が意気込むと彼の前にだった。
 中年のオールバックでスーツを着た蝶々の羽根を持つ小さな人が飛んできた、そのうえで羽柴に言ってきた。
「お茶だね」
「あれっ、貴方がフェアリーなんだ」
「チャーリーというけれど」
「ちなみにわしはチャールズだよ」
 レプラカーンも言ってきた。
「宜しくな」
「はじめましてだね」
「あれっ、フェアリーって美少女なんじゃ」
「いや、ちゃんと性別もあってね」
 プランタジネットは唖然となっている羽柴に話した。
「それで年齢もね」
「重ねるんですか」
「人間よりずっと長生きだけれどね」
「ああ、彼はあれか」
 フェアリーはその話を聞いて言った。
「妖精は美少女しかいないと思っているのか」
「そうじゃな」 
 レプラカーンもそれはと応えた。
「どうやら」
「いやいや、それは違うんだ」
 フェアリーは羽柴に真面目な顔で答えた。
「今ご主人が言ったけれどね」
「性別もあってですか」
「年齢もだよ」
「重ねるんですね」
「そうだよ」
 こう言うのだった。 
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