八条学園騒動記
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第七百二十二話 哺乳類その七
上等兵はゴマフアザラシの子供を観て自然と微笑んで言った。
「いいですね」
「ゴマフアザラシの子供か」
「はい、真っ白で」
その体毛がというのだ。
「実に」
「星によってはコバルトブルーになる」
「そうなのですか」
「星によっては雪が青いからな」
その為にというのだ。
「青い砂が入ってな」
「その星にある」
「そうしてその星のある地域ではな」
「雪が青いのですか」
「その為にだ」
まさにというのだ。
「そこに棲息しているゴマフアザラシもな」
「色が青いのですね」
「子供もな」
「そうなるとは」
「これも進化だ」
大尉もゴマフアザラシの子供を観つつ話した。
「その環境の色に合わせてだ」
「体毛の色が変わることも」
「シマウマがあの模様になるのは何故か」
「保護色ですね」
「人間は色がわかるからシマウマが何処にいるかわかるが」
「ライオンヤハイエナはわからないですね」
「彼等の目には色がわかる能力がないからな」
「シマウマを見ても」
「周囲とな」
そこと、というのだ。
「溶け込んでいてな」
「わからないのですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「それでわからない」
「それもまた進化で」
「そしてだ」
「ゴマフアザラシもですね」
「とある星のとある地域ではな」
「子供の体毛が青い」
「ホッキョクギツネもな」
この生きものもというのだ。
「その地域では服は体毛が青くなるのだ」
「ゴマフアザラシと同じく」
「それもコバルトブルーだ」
この青だというのだ。
「そうなる」
「青い哺乳類の体毛とは」
「変わっているな」
「実に」
「だが進化によってはな」
それ次第ではというのだ。
「そうしたこともだ」
「あるのですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「これがな」
「そうなのですね」
「進化の可能性は無限だ」
大尉は言った。
「その生きものその地域のものがあるのだ」
「様々なケースがあるのですね」
「それこそ星の数程な」
そこまでというのだ。
「多い、だから青いゴマフアザラシもだ」
「存在していますか」
「そうだ、そしてこのアザラシ達は海水生だが」
「淡水生のものもいますね」
「先程話した様にな」
「淡水生のヒョウアザラシもいて」
「ゴマフアザラシやモンクアザラシもな」
今観ている彼等もというのだ。
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