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星河の覇皇

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第八十五部第二章 日本大使館その十八

「宜しくお願いします」
「それでは」
「ではお蕎麦にはです」
「注意ですね」
「噛むのではないです」
 この武蔵星系ではだ。
「あくまで」
「喉越しを味わうものですね」
「そうなのです」
「そうした食べ方ということですね」
「それはおつゆが辛いこともあって」
 先程の話から話した。
「おつゆには少し付けて」
「そうして噛まずにですね」
「喉越しを味わう食べ方です」
「そういうことですね」
「そこは覚えておいて下さい」
「それでこちらではおうどんも少ないのですね」
 領事は冷静な声で述べた。
「武蔵星系では」
「はい、お蕎麦が主流です」
「そうなのですね」
「山城星系や摂津星系ではおうどんが主流で」
 蕎麦よりもこちらだというのだ。
「それで麺も噛みます」
「おうどんもですね」
「そうして食べます」
「むしろお蕎麦でもですね」
「噛まないのは武蔵星系位です」
「左様ですね、わんこそばを食べたこともありますが」
 領事はこの蕎麦の話もした。
「秋田という星に行った時にお店で食べました」
「あれはどんどんお蕎麦を入れていきますね」
「はい、お椀の中に」
 この時代でもそうして食べているのだ。
「そうしていきますが」
「お蕎麦も噛みますね」
「そうしていますが」
 それでもというのだ。
「どうしてもです」
「武蔵星系ではですね」
「そうしてです」
「食べる食文化ということで」
「親睦を深めて下さい」
「わかりました」
「それとですが」
 チバは笑顔でこうも言った。
「お寿司があることもいいですね」
「やはり日本ですと」
「お寿司は有名ですからな」
「和食の中でも」
「だから領事も出されますね」
「そのことはです」
 それこそという口調での返事だった。
「私もです」
「最初にですか」
「レセプションのお話が出た時にです」
「決められましたか」
「それを出そうと」
 寿司、それをというのだ。
「決めました」
「そしてですね」
「もう最初に出しもので決めました」
「そして職人の方もですね」
「契約しました」
「左様ですね。お寿司は魔法の食べものですね」
 チバは寿司についてうっとりとする様にして述べた。
「ああした食べものがあるとは」
「和食は物凄いものがありますね」
「はい、確か前回のレセプションではお寿司ではなく」
 中央政府武蔵星系の領事館が主催するそれではだ。 
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