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星河の覇皇

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第八十五部第二章 日本大使館その十七

「喉越しを楽しむのです」
「そうした食べ方なのですか」
「そうなのです」
 この武蔵星系ではというのだ。
「おつゆも辛いので」
「そういえば辛いですね」
 この武蔵星系の蕎麦つゆはとだ、領事も答えた。
「武蔵星系の蕎麦つゆは」
「ざるそばでもお汁でもですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「辛いですね」
「色も違いますね」
「黒いですね」
「インクの様ですね」
「パスタやパエリアでイカ墨を入れたものがありますが」
「イカ墨は使っておらず」
「おつゆの色そのままですね」
「そうです、お醤油も他の地域のお醤油よりも黒く」
 そしてなのだ。
「そして味もです」
「辛いですね」
「そうです、それでおつゆも辛いので」
「ざるそばの時はですね」
「お蕎麦は噛まずに」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「食べるものですね」
「そうです、ですから」
「催しでもですね」
「そこはです」
「注意してですね」
「出して下さい」
 チバは領事ににこやかな顔で話した。
「そのことは」
「楽しんでもらうならその相手の好みをわかっておく」
「左様です」
「日本は奥の深い国です」
「お蕎麦にしてもそうですね」
「はい、ではお蕎麦はざるそばを出します」
 こちらの蕎麦をというのだ。
「そうします」
「それでは」
「そうして楽しんでもらいます」
 催しに来る日本人達にというのだ。
「お酒も用意しますし」
「お酒は日本酒ですね」
「ビールやワインも用意しますが」
 そうした酒だけではなくというのだ。
「やはり主なお酒はです」
「そちらですね」
「日本酒です」
 こちらの酒だというのだ。
「そうなります」
「そのこともいいですね」
「日本ですから」
「日本人にはですね」
「やはりお酒となりますと」
 この時代でもこのことは変わらない、そしてこの時代では日本酒は連合中で広く飲まれる酒の一つになっている。
「そちらですね」
「そうですね、ですから」
「用意されましたね」
「既にそう手配しています」
「お見事です、相手に喜んでもらい」
 そしてとだ、チバは話した。
「そうしてです」
「親睦を深めていくことですね」
「そうしていって下さい」
「同じ連合市民として」
「連合市民は左手同士は殴り合っていても」
「右手では握手する」
「そうしたものなので」
 よく各国政府そして中央政府と各国政府はこうした関係だと言われている。これもまた連合と言う国なのだ。 
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