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ハッピークローバー

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第百話 彼岸を過ぎてその十三

「用意とかしない甲斐性なしで」
「それ言うって小さいよな」
「しかも人に言うって無神経過ぎるわね」
「それだけでも駄目過ぎる人だな」
「そうよね」
「それで天理教の教会につてでお世話になっても」
「全然変わらなくてな」
「ふんぞり返って文句ばかりで」 
 そうした有様でというのだ。
「働かないで親戚の人の家でそうしてな」
「挙句行方不明よね」
「親戚にいたら凄い嫌だな」
「私その人傍にいたら嫌いになる自信あるわ」
「俺だったら部屋に家族でもないのに勝手に入ってな」
「本漁った時点で?」
「切れるな」
 そうなるというのだ。
「友達でもお邪魔しますって言ってな」
「お部屋には入れよ、よね」
「それが普通だろ」
 まさにという言葉だった。
「俺達でもそうしてるだろ」
「私達だってね、お互いお泊りもするけれど」
 かな恵は一華達との付き合いから答えた、実際にかな恵達五人はそうしてお互いに遊んで絆も深め合っている。
「お邪魔しますって言って」
「勝手に部屋入らないだろ」
「入ってって言われて」
 家に入ってからというのだ。
「そうしてるわ」
「こんなの俺達みたいなな」
「高校生だってするわね」
「それがいい歳したおっさんがだろ」
「しないってね」
「何なんだよ、それでそんな有様でな」
 人間としてあまりにもレベルが低くてというのだ。
「何が偉いんだよ」
「全然偉くないどころか」
「最低だよな」
「もうね」
「人間の最低の床をぶち抜いたな」
 そうしたというのだ。
「とことんまで堕ちた」
「そんな人よね」
「人間ですらないかもな」
「そこまで酷いと」
「どうしようもないな」
「実際誰も救えなかったしね」
「匙投げてな」
 絶対に更正しない、そう見切られてというのだ。
「そうだったことを見たら」
「人間ですらないのね」
「じゃあ何かっていうと」 
 成海は首を傾げさせてかな恵に話した。
「何だ?」
「屑とか?」
「人間の屑か」
「お話聞いてるとどう見ても」
「人間の屑だな」
「ヤクザ屋さんとか半グレとは違ったタイプの」
 そうした俗に言われる人間の屑とはというのだ。
「どうしようもない」
「そんなタイプの屑か」
「それでね」 
 成海にさらに話した。
「親戚にも知り合いにも」
「絶対にいて欲しくないな」
「そんな人ね、私の親戚には」
 到底というのだ。
「いなくてよかったわ」
「俺の親戚にもいないよ、変な人いるけれどな」
「どんな人?」
「売れないお笑い芸人で本職居酒屋のチェーン店の店長さんなんだよ」
「そんな人いるの」
「八条芸能にいるけれど」 
 この事務所に所属しているがというのだ。 
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