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犬といえば骨だけれど

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第二章

「骨だから」
「犬は歯が強くてもな」
「やっぱり嚙み砕くには限度があって」
 それでというのだ。
「消化にはね」
「悪いか」
「だからよ」
「ふわりにもか」
「あまりあげないの」
「あくまでおやつか」
「時々ね」 
 そうした感じでというのだ。
「あげるのよ」
「そうするんだな」
「ええ、けれど今日はね」
「骨やるんだな」
「おやつでね」
「そうするんだな」
「お肉もあげるけれど」
 焼肉自体もというのだ。
「タレに漬けていない」
「焼いただけの肉か」
「焼かないとね」
「衛生的によくないか」
「焼いて冷えてから」
 時間を置いてそうしてというのだ。
「あげるわ」
「そうするんだな」
「私達が食べた後でね」 
 こう夫に話した、そしてだった。
 百合子は実際に食後ふわりに焼いた後で冷やした肉とだった。
 骨をあげた、するとふわりはどちらも尻尾を振って食べた。
「ワンワン」
「よく噛み砕いて食べるのよ」
 百合子は骨を噛み砕いて食べるふわりに笑顔で言った、そのうえで彼女が骨を嬉しそうに食べるのを見守った。
 その後でだ、夫に言った。
「また今度ね」
「骨が出たらか」
「あげるわ」
「少しか」
「あくまで主食はドッグフードよ」
 食べ終えて気持ちよさそうに寝ている彼女を見て話した、もう骨はなくなっていた。肉と共にそうなっているのも見て言ったのだった。


犬といえば骨だけれど   完


                  2023・10・23 
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