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ハッピークローバー

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第九十九話 寝られるだけでもその十一

「しんどいからね」
「だからね」
「寝てるわ」
「それは何よりよ」
「あとね」
 妹はさらに言った。
「冬もね」
「いよいよ入試の時も」
「お母さんに寝る様にしろって言われたわ」
「入試の時体調を崩さない様に」
「そう言われたわ」
 実際にというのだ。
「だからね」
「最後の最後まで」
「受験勉強はしても」
 それでもというのだ。
「毎晩しっかりね」
「寝ていくのね」
「そうしていくわ。お姉ちゃんもしっかり寝てたでしょ」
「私もお母さんに言われたしね」 
 理虹は妹にすぐに答えた。
「受験勉強もして」
「ちゃんと寝る」
「両方しなさいってね」
「やっぱり寝ないと体調崩すわね」
「特に冬は寒いから」
 この季節はというのだ。
「ちょっと寝不足だとね」
「体調崩すわね」
「そうなるから」 
 だからだというのだ。
「志望校に合格したかったら」
「よく寝る」
「そうね」
 その様にというのだ。
「言われたわ」
「そうよね」
「だからよく寝たわ」
 実際にというのだ。
「私もね」
「それで私もなのね」
「そうしないとね。あとあんた八条学園の高等部に」
「そのまま進学するつもりよ」 
 エスカレーター式にとだ、妹は答えた。
「普通科にね」
「あんたそっちなの」
「今考えてるのはね」
「あんたの成績ならね」
 理虹は妹のそれを見て述べた。
「いけるけれどね」
「そうよね」
「ただ併願よね」
「もう全部ね」
「学科受ける形になるわね」
「だから普通科に落ちても」
 それでもというのだ、妹の方も。
「他の学科にね」
「合格出来る様にはするのね」
「そうするわ」
「それがいいわね、やっぱり」
「お姉ちゃんは最初から商業科だったわね」
「普通科には難しい成績だったし」
 入試で合格するにはというのだ。
「それに普通科よりもね」
「商業科行きたくて」
「それでよ」
「最初から普通科受けなかったのね」
「そうなのよ」
「そうだったわね、商業科もね」
 妹は姉を見て言った。
「いいわよね」
「楽しいわよ、ただね」
 その商業科のことをだ、理虹は話した。 
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