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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その六十二

「一生嫌われて対立される」
「そこまで覚悟しないと駄目か」
「そうよ、軽蔑という言葉は相手を軽く見て蔑視する」
「完全に舌に見てるんだな」
「どちらかだけでも結構なものよ」
 軽く見ることも蔑視することもというのだ。
「それはわかるわね」
「ああ」
 孫娘は祖母に飲みつつ返した、そしてだった。
 ステーキを食べてそれからまた言った。
「それはな」
「それが二つも重なるから」
「余計に重いんだな」
「軽く言っても」
 それでもというのだ。
「相手にとってはそうじゃないのよ」
「言った相手は絶対に恨むか」
「例え笑顔でいても」
 顔はそうであってもというのだ。
「それでもね」
「その実はか」
「恨んでいるものよ」
 今度はサラダを食べている孫娘に話した、ドレッシングはオニオンでその刺激がまた非常にいいものとなっている。
「心に突き刺さってね」
「謝ってもか」
「それで許してくれる相手ならいいわね」
「そうじゃないとか」
「その場合はね」
 まさにというのだ。
「覚悟しておくことよ」
「その人とずっと対することをか」
「嫌われてね」
「恨まれてか」
「それでいいなら言うことよ」
 その相手にというのだ。
「他にもそうした言葉はあるけれど」
「軽蔑って言葉もか」
「そのうちの一つなのよ」
「成程な」
「わかったわね」
「よくな、あたしも無闇に恨まれるつもりはないさ」
 孫娘は祖母に笑いながらも真剣な目で述べた。
「やっぱりな」
「誰からもよね」
「ああ」
 まさにというのだ。
「嫌われたい、恨まれたいとかな」
「思わないわね」
「これといってな」
「それが普通の人よ。人はやっぱりね」
「嫌われると辛くてだよな」
「好かれるとね」
 それならというのだ。
「楽になるわ」
「祖母ちゃんいつもあたし達に言ってるよな」
「子供にも孫にもね」
「皆にか」
「あんたの親にもね」
 子供の一人だからである。
「言っていたわよ」
「それであたしにもか」
「言うのよ」
「そうなんだな」
「そう、言霊はなくても」
「言葉は重いものか」
「時として銃よりも人を傷付けるわ」
 孫娘にこうも話した。
「銃創は癒えるけれど」
「心の傷は治りにくいんだな」
「かなりね、治るどころかトラウマになって」
 そしてというのだ。
「悪化することあるわよ」
「そうなること多いか」
「銃も人を殺すけれど」
 カバリエはこうも言った。 
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