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八条学園騒動記

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第七百二十話 夜の鳥達その十

「まことにな、そしてこの者はな」
「その無駄な才能を持っていて」
「その分野の天才だ」
 下らない文章を書くそれのというのだ。
「そして誰の何の役にもだ」
「立たないのですね」
「あれは出来ないこれは出来ないとだ」
 その様にというのだ。
「未来の技術をけなしてもだ」
「否定して」
「それが創作のものでもな」
「アニメや漫画の」
「そうしても今言った通りだ」 
 まさにというのだ。
「未来の技術はな」
「現在ではわからないですね」
「十九世紀初頭の人間にテレビを話してもな」
「実現出来るとはですね」
「絶対にだ」
 それこそというのだ。
「全くだ」
「言わないですね」
「思うことも想像することもな」
「ないですね」
「そうだ、だがだ」
 それがというのだ。
「人類は実現した」
「テレビを生み出しましたね」
「そうした」 
 このことを話すのだった、尚この時代のテレビは立体映像になっていてコメントの書き込みも出来る様になっている。
「見事な」
「そうでしたね」
「だからアニメや漫画のだ」
「未来の技術もですね」
「実現出来ないとな」
「誰も言えないですね」
「ノーチラス号なぞだ」
 ジュール=ヴェルヌの小説海底二万マイルの潜水艦である。
「誰がだ」
「実現出来るか」
「思ったか」
「あの潜水艦ですね」
「そして八十日で世界を一周することもな」
 やはりジュール=ヴェルヌの小説である。
「それもだ」
「出来ないとですね」
「当時はな」
 十九世紀はというのだ。
「思ったが」
「それが小説になりましたね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「見事だ」
「実現しましたね」
「ジュール=ヴェルヌは偉大だ」
 大尉は言い切った。
「実現出来ないと言ったことをだ」
「実現出来ると言って」
「そしてそれを小説にした」
「そうして多くの人を楽しませましたね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。 
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