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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その五十六

「そっちも出してデザートは」
「冷蔵庫にゼリーがあるから」
「それでいいよな」
「ええ、じゃあね」
「それでいくか、あと酒は」
 こちらはというと。
「ワインでいいよな」
「サンチエゴ星系産があるから」
「赤か?白か?」
「赤よ」 
 そちらだとだ、孫娘に答えた。
「青もあるけれど」
「そっちか」
「あんたは好きなのでいいわ」
「赤にするな」
「お祖母ちゃんとお揃いね」
「ちげえよ、たまたまお肉にパエリアっていうとな」
 こうした料理ならというのだ。
「ワインは赤が一番だろ」
「だからなのね」
「青もいいけれどな」
 それよりもというのだ。
「赤の方が味が濃いからな」
「それでなのね」
「赤にするな」
 こう祖母に話した。
「あたしは」
「そうなのね」
「それで何本飲むんだよ」
「二本にするわ」
「三本にしねえか?」
「三本ね」
「一人辺りな」
「飲むわね、相変わらず」
 祖母として孫に笑って返した。
「飲み過ぎはよくないわよ」
「そう言う祖母ちゃんもな」
 孫娘も負けじと返す。
「それはな」
「そこでそう言うのね」
「実際にそうだろ」
「あら、そうかしら」
「それじゃあ何本飲むんだよ」
「三本よ」
 孫娘に余裕の笑みで返す、悪びれた様子もない。
「それだけいただくわ」
「やっぱりそうじゃねえか」
「パエリアを楽しんで」 
 見ればその量もかなりのものだ、連合の女性が食べるにしては多いと言ってもいい程の量でそこにサラダやステーキ、パンもあるのだ。
「他のものしかもケーキがあるのなら」
「三本か」
「それだけいるわ」
「あたしと同じだな、相変わらず食うな」
「そして飲んでいるわね」
「よくな」
「そうしてこそよ」
 よく飲んでこそとだ、カバリエは堂々とした体格で述べた。
「まさにね」
「政治家として頑張れるんだな」
「充分に飲んで食べて」
 周りが言うには充分以上である。
「そうしてね」
「やっていけるんだな」
「そうよ、お祖母ちゃんの様にね」
「そうなんだな」
「そしてあんたもよ」
 孫娘にさらに言った。
「私の様によく飲んで食べているから」
「将来はか」
「お祖母ちゃんみたいな体形になるわよ」 
「なるのかよ」
「なるわよ、あんたお祖母ちゃんの若い時にそっくりだから」
 このことは自分の記憶からたどって出した言葉だ、カバリエも今は堂々たる体格だがかつては痩せていたのだ。 
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