ドリトル先生の落語
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第九幕その二
「やっぱり」
「そうですか、では僕も好きなので」
「これからですね」
「行きましょう」
「それでは」
こうお話をしてでした。
先生は日笠さんと一緒に舞台に行きました、そしてです。
まずは漫才を観てです、それから落語となりましたが。
漫才についてです、日笠さんは言いました。
「舞台の方がテレビより面白いですね」
「テレビのお笑いよりもですね」
「どうもバラエティーのお笑いは」
どうしてもというのです。
「目が笑っていなくて」
「日笠さんもそう思われますね」
「はい、笑わせようという気持ちがです」
それがというのです。
「なくて」
「それで、ですね」
「観ていましても」
「どうもですね」
先生は日笠さんに考えるお顔で言いました。
「テレビのバラエティー番組はただ放送枠を埋める」
「その為だけのものですね」
「それだけで作っているので」
それでというのです。
「出演するタレントさん達もです」
「ただ出ているだけですか」
「特定の大手事務所だけで」
「限られますね」
「それでテレビに出たいそこで有名になって」
そしてというのです。
「お金や地位が欲しい」
「笑わせようじゃなくて」
「そう思っているだけの人達で」
「面白くないんですね」
「そうだと思います」
「そうですか」
「だから面白くないのかと」
こう言うのでした。
「どうも。ですが今回の舞台はです」
「そうしたタレントさんは出ていないですね」
「はい、お金や地位が欲しいだけで」
「笑わせようという気持ちがない」
「そうした人達が出ていないので」
だからだというのです。
「面白いです」
「本物の人達が出ているんですね」
「どうもです」
先生は首を傾げさせつつです、日笠さんにお話しました。
「面白くない番組にはです」
「面白くない人が出ますか」
「器がそうなら」
即ち番組がです」
「出演者の人達もです」
「そうなるんですね」
「はい、ですから」
それでというのです。
「最近テレビのお笑いは面白くないです」
「面白くしようという番組自体がないですし」
「出る人達もです」
「笑わせる気持ちがないですね」
「そうですから、これではです」
先生はさらに言いました。
「いい筈がありません、ただ」
「ただ?」
「はい、今回は笑わせようという人達ばかりで」
あるコンビの漫才の後で言います、その漫才は確かに面白かったです。
「事務所自体もです」
「八条芸能の人達ですね」
「この事務所はしっかりとです」
「お笑いを考えていますね」
「お笑い部門の人達は」
「そうした事務所だからですね」
「面白いです、事務所もまた器でして」
番組と同じくです。
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