八条学園騒動記
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第七百二十話 夜の鳥達その五
「そうした生きものはな」
「流石にいないですね」
「技術的に難しい」
「連合においても」
「自然公園タイプの動物園でもな」
そうした場所でもというのだ。
「戦車にでも乗らないとだ」
「危険ですね」
「それか飛行機でもないとな」
「龍やドラゴンを観察するには」
「かなり知能が高いのでそうは襲われないが」
そうした生きもの達にはというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「大型で特殊な能力を持っているからな」
それ故にというのだ。
「迂闊にはだ」
「近寄れないですね」
「生身で近寄るとな」
「命の危険がありますね」
「また捕獲するにはな」
そうした生きものはというのだ。
「危険だからな」
「それで、ですね」
「それ自体すらな」
「危険で」
「非常に困難だ」
「そういうことですね」
「連合の技術では魚類だが」
大尉はこう前置きして上等兵に話した。
「リュウグウノツカイも飼育出来ている」
「あの深海魚でもね」
「かなり研究が進んでな」
この魚についてというのだ、二十一世紀までこの魚は非常に謎が多い生きものとして逆に有名であった。
「そうしてだ」
「飼育出来る様になりましたね」
「繁殖もな」
飼育だけでなくだ。
「出来る様になっている」
「連合では」
「エウロパでもだがな」
即ち自分達の国でもというのだ。
「出来ているが」
「それでもですね」
「あの魚の飼育にはな」
「非常に苦労しましたね」
「そもそも深海に棲息していてな」
リュウグウノツカイは深海魚である、このこともこの生きものの調査や研究の難しさの原因になっていた。
「見ることすらな」
「珍しいですね」
「災害が起こる時等にだ」
「海面まで出て来ると言われていますね」
「そうした魚でな」
「謎が多かったので」
「中々だ」
それこそというのだ。
「捕獲も難しくな」
「飼育もですね」
「難しかったが」
それに入ってもすぐに死んでしまったのだ。
「実現してだ」
「今は繁殖も行っていますね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「龍やドラゴンはな」
「連合でも出来ていないですね」
「不可能は可能になっていく」
大尉は断言した。
「次第にな」
「文明の発展によって」
「そうなるが」
「それでもですね」
「どうしても不可能なことはある」
そうだというのだ。
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