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X ーthe another storyー

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第三十八話 場所その十二

「あのまま続いていたらな」
「草薙さんでもですか」
「そう思った」
「僕もです」
 哪吒も言ってきた。
「闘いが続きますと」
「あの人、火煉さんにですね」
「そうなっていました」
 遊人に真剣な顔で答えた。
「間違いなく」
「逆に封真はあの娘に優勢だったわね」 
 颯姫は彼に言った。
「勝てていたわ」
「強かった」
 封真は勝負で受けた印象をありのまま話した。
「確かに俺が押していたが」
「一歩間違えていたら」
「俺は負けていた」
「そうね。私もそう思ったわ」
 二人の闘いを見ての感想をだ、颯姫は述べた。
「貴方もね」
「そうだな」
「皆強いわ、問題は相性よ」
 右手を自分の顔の横にやって指を緩やかにさせてだ、庚は話した。
「お互い強さは然程変わらないわ」
「そうなのですか」
「私達も天の龍の彼等もね」
 封真に対して話した。
「実はね。けれどね」
「相性がありますか」
「火には水でしょ」
 ふと遊人を見て話した。
「その相性次第でね」
「勝てますか」
「ええ。それに相性が悪くても」 
 そうであってもというのだ。
「闘い方次第でね」
「勝てますか」
「私達個々の戦力差はそんなにないわ、むしろね」
「互角位ですか」
「一人一人はね。だからね」
 そうであるからだというのだ。
「問題は相性とね」
「闘い方ですね」
「そうよ。それ次第でね」
「勝てますね」
「そして一人ずつ勝っていってね」
 地の龍達がというのだ。
「最後私達が立っていればね」
「俺達の勝利ですか」
「そうなるわ、けれど立っていられないなら」
 戦いで傷付いてとだ、庚は仲間達に話した。
「せめてね」
「生きることですね」
「そうしてね」
 星史郎に返した、強い顔と声で。
「このことは絶対よ」
「生きることですか」
「皆ね。そうしてね」
「そうですか。僕もまた」
「当然よ。それとね」
「それと?」
「まだお互いのことをよく話して知り合っていないかしら」
 ふとだ、庚はこんなことも言った。
「だからね」
「それで、ですか」
「お話出来る範囲でいいから」
 それでというのだ。
「少しお互いのことをお話してね」
「そうしてですね」
「知り合わないかしら」
 こう言うのだった。
「どうかしら」
「いいですね。ではお話していきましょう」
 星史郎は庚の提案に微笑んで応えた。 
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