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ハッピークローバー

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第九十八話 何でも読めることその二

「規制が入ったりな」
「するのね」
「日本だって昔はな」 
 自分達の国もというのだ。
「エロいのとか厳しくてな」
「検閲ね」
「それが入ってな」
 そうしてというのだ。
「発禁処分とかな」
「あったのね」
「だからな」
「こうしてありのままに読めるって」
「いいことだよ」
「何でもない様で」
「同性愛なんてな」
 兄はこちらの話もした。
「漫画で描くとかな」
「日本じゃよくあるわね」
「けれど他の国だとな」
「アウトの国もあるの」
「そう言う人だってな」
「その人それぞれなのにね」
「そんな漫画描いたり読んでるってわかれば」
 その時はというと。
「マジで犯罪にもな」
「なるのね」
「そうなるからな」
「漫画でしょ」
 留奈は素っ気なく返した。
「漫画ならね」
「別にいいか」
「殴ったり蹴ったりとか同性愛とかね」
「お色気もだな」
「いいでしょ」
「それがそうはならない国もあるんだよ」 
 兄はあくまでと返した。
「戦前の日本だってな」
「検閲があって」
「そうした描写はな」 
「駄目ってされてたのね」
「そうなんだよ」
「理不尽ね」
「だからそこはな」
 兄はそうしたこと、検閲の存在自体がどうにもわからないと言葉だけでなく顔でも出している妹に対して話した。
「その国の宗教もあるし政府もな」
「そうした考えなの」
「独裁政治じゃありがちでもな」 
 それでもというのだ。
「民主主義の国でもだよ」
「検閲あったりするの」
「だから宗教的な考えが厳しいとだよ」
 その国のというのだ。
「検閲だってな」
「あるのね」
「そうだよ」
 こう留奈に言うのだった。
「これがな」
「そうなのね」
「アメリカでも五月蠅いだよ」
「ああ、アメリカの子よく言うわ」
 留奈もそれはと返した。
「友達のね」
「そうだろ」
「自由の国って言うけれど」
「表現については厳しいな」
「州によるっていっても」 
 アメリカは五十の州それぞれの権限が強い、その為法律やそこにある倫理観も州によって違っているのだ。
「それでもね」
「何かとあるな」
「それで」
 その為にというのだ。
「暴力とかお色気とか」
「厳しいな」
「同性愛だってね」 
 こちらのこともというのだ。
「そうらしいわね」
「だから何でも読めるってな」
「いいことなのね」
「その漫画の作者さんだってな」
 留奈が今読んでいる完結が全く見えない漫画の作者のことも話した。 
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