星河の覇皇
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第八十五部第一章 国防省への忠告その四十二
「油断はならないな」
「それは、ですね」
「決してせず」
「そのうえで、ですね」
「ことにあたって」
そしてというのだ。
「出し抜くわ」
「左様ですね」
「それではですね」
「日本の動きについては」
「これからもですね」
「特に見ていきますね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「若しこれはという動きがあれば」
「防ぐ」
「そうしますね」
「それも事前に」
「そうもしていきますね」
「そうしていくわ」
まさにというのだ。
「その時はね」
「ですね」
「さもないとです」
「我々はしてやられます」
「そうなってしまいます」
「だからこそよ」
カバリエは伊東を意識しつつ話した。
「伊東首相にはね」
「警戒していくことですね」
「他の各国の首脳や閣僚よりも」
「そうしていくべきですね」
「私は全体を統括するけれど」
今回の各国政府との衝突では、というのだ。
「けれど各国に対してはね」
「各国の大使を責任者として、ですね」
「そのうえで各国であたりますね」
「そうしていきますね」
「いつも通りね、そしてその中でね」
特にというのだ。
「今回日本大使館と各領事館はね」
「伊東首相の動向は、ですね」
「常に注視して」
「動きを見て」
「それで、ですね」
「対してもらうわ、その責任者は」
日本そして伊東に対する者はというと。
「日本大使よ」
「そうなりますね」
「それではですね」
「大使には頑張ってもらいますか」
「今回は」
「私は人を見る目はあるつもりよ」
カバリエはこうも言った、今は会議室でファイルを読んでいる。そこには中央政府外務省の主なスタッフ達の経歴やこれまでの仕事のことが書かれている。
そのファイルを読みつつだ、カバリエは話した。
「だから大使もね」
「優れた方を選ばれていますね」
「左様ですね」
「日本大使についても」
「左様ですね」
「そうよ、九尾の狐に対するなら」
そう呼ばれるだけの策謀の持ち主にというのだ。
「それに匹敵するだけの狐でも狸でもね」
「送る」
「そうすべきですね」
「日本風に言えば獺でも貉でもよ」
スタッフ達に笑ってこうも言ってみせた。
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