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夢幻水滸伝

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第三百十七話 覇道に対してその六

「ことを決します」
「そうですね」
「そうしますね」
「そやけどそれはです」
 ジャム、ブルーベリーのそれをたっぷりと塗った食パンを食べつつ言った。
「あくまで」
「最後の最後ですね」
「その手段ですね」
「そうです」
 こう言うのだった。
「そやからです」
「まずは使者を送る」
「何度か」
「それで降ってくれればよしで」
「最後まで残って」
「どうしてもというのなら」
 それでも降らないのならというのだ。
「そこで、です」
「軍を出しますね」
「そうしてきましたし」
「これからもですね」
「その様にしていきましょう」
「戦は避けますね」
「あくまで、むしろです」
 ルイスは言った。
「政にです」
「力を入れていきますね」
「そうしましょう、ほなです」
「これからもですね」
「使者を送っていきましょう」
 降らない街や村にというのだ。
「是非」
「それでは」
 ギンズバーグも頷いた、そのうえで。
 ポークチャップを食べつつだ、二人にこうも言った。
「今この東部はメルヴィルさんの勢いが凄いですね」
「確かに」
 ルイーザもポークチャップを食べながら応えた。
「そうですね」
「まさに日の出の勢いであって」
「あたし達とは全くちゃいますね」
「あの人とどうしていくか」
「それが問題ですか」
「実はです」
 ルイスは微妙な顔になって述べた。
「私はあの人そしてあの人と一緒にいる人達とどうしていくか」
「そのことがですね」
「まだ考えていません」
「そうなのですか」
「あの」
 ギンズバーグはここでこう言った。
「戦は」
「するつもりはです」
「ないですか」
「今のところは。ただ」 
 ルイスはスープを飲むギンズバーグに話した。
「私としては戦は好きやないですが」
「それでもですね」
「意地もあります」
「意地、ですか」
「メルヴィルさんは覇道ですね」
「そうですね」 
 ルイーザもそれはと答えた。
「あの人は」
「覇道に対してはどうするか」
「それは、ですか」
「覇道自体は否定しませんが」
「それはそれで正義ですか」
「そうかと」
 こう言うのだった、ルイスは今は真面目な顔になってそのうえでルイーザそれにギンズバーグに話した。
「それが平和をもたらし世界を救うなら」
「それならですね」
「メルヴィルさんも正義ですね」
「そやけどです」
 それでもというのだ。 
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