八条学園騒動記
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第七百十八話 多くの鳥達その七
「それをですか」
「連合は行っているのだ」
「今もですね」
「雑多な国だからな」
連合はというのだ。
「実にな」
「多くの宗教が存在し」
「民族、人種、文化、そして文明もだ」
「様々ですね」
「貨幣や度量衡は統一されていて公用語もある」
「銀河語ですね」
「そしてそれぞれの国家が経済的に密接に利益を共有し合いな」
そうもなってというのだ。
「巨大な経済圏にもだ」
「なっていますね」
「中国の大運河だがな」
大尉は今度はこの国の地球にあった頃のことを話した。
「長江と黄河を結び付けてな」
「一つのものにしましたね」
「これは二つの穀倉地帯を結び付けてだ」
黄河流域と長江流域をだ。
「物資の行き来を活発にさせてな」
「二つの穀倉地帯を経済圏としたら」
「その二つの経済圏を一つにしてな」
そうしてというのだ。
「国家を統合させたのだ」
「中国という国を」
「中国は始皇帝が統一した」
あまりにも有名なこの人物がというのだ。
「そうしたが」
「それでもですね」
「度量衡に文字も貨幣も統一してもな」
「まだ不十分でしたか」
「中国にはその二つの経済圏があったのだ」
黄河流域と長江流域がというのだ。
「その二つの経済圏を別々にするのでなくな」
「統合しなければならなかったのですね」
「そして大運河が築かれた」
これを行ったのが隋の煬帝である、暴君とされる彼の偉大な功績とされている。尚煬帝は詩人としても優れた詩を残している。
「これでだ」
「中国は経済的にも一つになったのですね」
「そして群雄割拠の時代になってもだ」
その時の王朝が衰え崩壊してだ。
「三国時代や五胡十六国時代の様にな」
「長きに渡ることはなくなり」
「速やかに統一される様になった」
「二つの経済圏が統合されたので」
「そうだ、そして連合もな」
この国もというのだ。
「連合自体が巨大な経済圏になっているからな」
「統合されていますね」
「連合自体が経済圏でだ」
「各国はその中で生きていますね」
「四兆の者達がな」
「それ故にですね」
「連合は分かれることはないが」
それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですか」
「衝突は多い」
分裂は泣くともというのだ。
「雑多でしかも多くの勢力がその中にある」
「そうした国家であるので」
「統合の為にはな」
「敵も必要ですか」
「若し敵がいないとだ」
エウロパというそれがというのだ。
「連合はよりだ」
「今以上にですか」
「衝突が多くな」
「まとまりがないですね」
「今でこの状況だ」
まさにというのだ。
「連合は衝突が多くな」
「まとまりがないですね」
「三百以上の首が互いに争い合っているドラゴンだ」
連合を例えると、というのだ。
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