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八条学園騒動記

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第七百十八話 多くの鳥達その六

「そしてだ」
「政治に関わらないということも」
「いいことなのだ」
「連合のですね」
「そうしたところもだ」
「見ていくことですね」
「そうだ」 
 まさにとだ、上等兵に言った。
「我々はな」
「連合の宗教もですね」
「そうなのだ、しかし」
「どうしましたか」
「また書いているな」 
 今度はスティーブンミソサザイを観て言った。
「エウロパのせいでとな」
「その鳥についてもですか」
「この小さな鳥も地球では絶滅している」
「そうなのですか
「スティーブン島という島にいた種類とのことだが」
「一匹の猫に説滅させられたとありますね」
 説明ではこう書いてあって上等兵も観た。
「そうですね」
「灯台守が飼っていたな」
「それはエウロパとは関係ないのでは」
「何でもエウロパの考えでだ」
「不用意に猫を放し飼いにしてとありますね」
「猫がな」
 灯台守が飼っていたというのだ。
「それで地球では絶滅したとな」
「酷いこじづけですね」
「そうしたことをしてまでな」
「連合はエウロパを敵視するのですね」
「そうしている」
「地球で絶滅した生きもののコーナーは酷かったですね」
 上等兵は動物園に入って最初の頃に観たそちらを思い出して言った。
「クァッガもブルーバックもオオウミガラスも」
「モアもドードーもな」
「全てエウロパが悪いでしたね」
「自然を破壊するとな」
「書いてあって」
「子供達にもわかる様にしているが」 
 それはというのだ。
「実に悪質なだ」
「洗脳教育ですね」
「あらゆる事柄でどんな手を使ってもな」
「連合は反エウロパ教育を行っていますね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「そうしてだ」
「敵対心を煽り」
「エウロパという共通の敵を作りだ」
「連合の全ての者の」
「四兆いればな」
 連合の今の人口の話もした。
「その四兆の者全員のだ」
「敵になる様にしているのですね」
「そうした教育を行っている」
「それも連合ですね」
「基本連合は連合という国と各国の素晴らしさを教える」
 そうした教育を行っているのだ、連合そしてその連合を構成する三百以上の国々がどれだけ素晴らしい国かということを教えるそれを。
「しかしな」
「それと共にですね」
「エウロパを敵視する様なだ」
「教育も行っているのですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「この国はな」
「その両方を行い」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「エウロパを敵視してな」
「そのことによって国家をまとめている」
「古典的なやり方とされていますが」 
 国家の共通の敵を定めてそれを見据えることによって国家をまとめる方法はというのだ。 
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