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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その三十

「やっていこう」
「左様ですね」
「連合ではコーヒーに毒は殆ど入れない」
 そのコーヒーを飲みつつの言葉だ、ホワイトコーヒーであるがその香りは黒のコーヒーと変わりはしない。
「自白剤を入れる」
「相手に喋らせる為に」
「それか眠らせてだ」
 眠り薬、それでだ。
「相手の財布を探る」
「それが連合ですね」
「そうだ、そんな国でだ」 
 それでというのだ。
「我々もな」
「コーヒーには注意することですね」
「ことにあたるにはな」
「そうですね、私もです」
「自白剤を入れるな」
「それか睡眠薬を」
 こちらをというのだ。
「入れます」
「そうするな」
「はい、そしてです」
「得るべきものを得るな」
「そうします」
「我々もそうしてくるならな」
「相手もですね」
 まさにという口調での言葉だった。
「そうしてきますね」
「人の考えることは同じだ」
「謀略についても」
「そうだ、だからな」
「我々も同じですね」
「幸い今回は中央政府の中はまとまっている」
 キロモトはこのことについても述べた。
「時としてはな」
「中央政府の中でも、ですから」
「そうなっているとな」
「今の様にはです」
「動けない」
「本当にこのことはです」 
 まことにというのだ。
「私もです」
「有り難いと思っているか」
「はい」
 まさにというのだ。
「その分です」
「そうだな、実際にな」
「中が乱れていますと」
「その中をどうするかからはじめないとならない」
「その分外に後れを取ります」
「そして敗れたことは多い」
「スポーツチームもです」
 こちらもというのだ。
「チーム内がまとまりを欠いていますと」
「どういった巨大な戦力を有していてもな」
「全力を発揮出来ません」
「そしてその戦力通り戦えない」
「お家騒動を起こしてばかりのチームは」
 例を挙げると二十世紀後半の阪神タイガースだ、このチームはとにかくシーズンオフにはそうした騒動ばかり起こしていった。
「弱体化していきます」
「選手を放出したりしてな」
「むしろ自ら出て行く」
「そうなってな」
「それは政府も同じで」
「あらゆる組織がな」
「内輪揉め、お家騒動が続くと」
 どうしてもというのだ。 
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