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ハッピークローバー

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第九十六話 ラッキーナンバーその十二

「カタローニャにはカタローニャ語があってね」
「バスクにはバスク語があるのよね」
「どっちも使用禁止された時代もあったし」
 フランコ政権の時はそうであったのだ。
「兎に角独自のね」
「言語なのね」
「他の言語とは全く違うって」 
 その様にというのだ。
「言われたりね」
「それ日本語も言われるけれどね」
「バスク語もそうでね」
 この言語もというのだ。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「色々言われてるし文化もね」
「違うって言われてるのね」
「兎に角独特なのよ」
「バスクってところは」
「それで独立運動もね」
 スペインからのそれもというのだ。
「今だによ」
「あるのね」
「国王陛下も言われたりね」
 独立に関してだ。
「認めないって」
「王様出るって凄いわよね」
「EUでも認めないってことをね」
 その様なことをというのだ。
「言ってたし」
「ややこしいわね」
「本当にバスクのことはね」
「難しい問題なのね」
「あらゆる意味でね」
「深刻なのね」
「かなりね、スペインの頭痛の種の一つよ」 
 そこまでの問題だと一華に話した。
「本当にね」
「そうなのね」
「ちなみに私バスク人じゃないけれど」
 それでもというのだ。
「この学校にもいるわよ」
「バスクの人が」
「そうよ、スペインだけじゃなくて中南米にも大勢いるからね」
「だからなのね」
「自分で言わないとわからない場合もあるけれど」
 それでもというのだ。
「三年生の応援団の田山先輩がそうよ」
「ええと、日本に帰化されてる」
「そう、スペイン名ゴルティローゾのね」
「あの人そうなの」
「そうよ、私達の間じゃ有名よ」
「バスク人って」
「そうなの」
 まさにというのだ。
「あの人はね」
「バスク人なのね」
「あの人も何も言われないけれど」
 自分がバスク人と、というのだ。即ちカミングアウトしていないというのだ。
「基本自分のこと言わない人だから」
「それでなの」
「ただ聞かれても」
 そうされてもというのだ。
「隠しておられないわよ」
「そうなのね」
「バスク人ってことに誇りを持っておられるそうで」
 その為にというのだ。
「今も長ランとボンタンでね」
「頑張っておられるのね」
「そうよ、応援団でね」
「そうなのね」
「あの恰好私にはわからないけれどね」
 スペインの娘は首を傾げさせてこうも言った。
「日本の応援団のね」
「今あんたが言った長ランとボンタンね」
「昭和の不良の格好でもあったわね」
「あれ何かね」
 一華は自分の知識から話した。 
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