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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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2-4

 日曜日、昨日の夜からウキウキしてあんまり寝れなかったのだ。買ってもらったピンクのスニーカーにピチッとしたジーンのショートパンツに野球帽をかぶって・・。

 土手沿いを歩いていると、たっ君の姿を見つけた。グラウンドを見詰めて座って、傍らにサッカーボールを持っていた。

「たっく~ぅん」と、私は手を振りながら駆け寄っていって・・・たっ君も振り返してきて応えてくれていた。

「みゅうみゅん 相変わらず 脚も黒いのぉー」

「ふふっ あたり前ヤン まだ そのまんまヤー」

「思いだすよー 胸と下の部分が日焼けしてなくて 真っ白だったのを」

「ん んもぉー それは 封印だよ! でも みゅうみゅんのことを覚えててくれてたんなら それでいいの!」

「そー だな どうだ? 学校は?」

「うん 楽しい みんな 親切にしてくれるし 友達も増えた」

「そうかー みゅうみゅんは 明るいし、ぐいぐい 行くからなー でも、敵にぶつかることもあるから ほどほどにな」

「そーだね でも、今は学校も 楽しいことばっかー たっ君のこと以外はね だけど こーやって 会えるようになったしー バラ色よー」

「ほんと みゅうみゅんには 元気もらえるよー あのさー ボール持ってきたんだー 蹴りっこしようと思ってー」

「ふーん みゅうみゅんは 野球ボール キャッチボール しようと思ってー」

「あぁ だけど グラブないやん?」

「そんなん 島では いつも 素手やったよー」

「ん だったけなー」

「じゃぁさー どっちもやろうよー」

 私達は両方をやって、その後、土手の階段で話していて

「なぁ 中学に可愛い女の子 居る?」

「そらーぁ まぁ 何人かはな」

「だろうねー みゅうみゅんみたいな野蛮なのがおる島と違って こっちは上品な可愛い娘がいるんやろなー たっ君も こころ 揺れるやろー?」

「まぁ それはそれさー みゅうみゅんの方が 可愛いさー」

「ふふっ はなまる あげるわー なぁ あそこまで かけっこッ 勝負しょぉー」

「えぇー 勝負ってかぁー なんぼみゅうみゅんが速いからって 小学6年の女の子やでー 負けるわけないやん」

「んー・・ 5m ハンデ」

「5mなぁ あそこまで100mぐらいかなー わかった」

「よーい ドン」私の声でスタートした。半分ぐらいまでは、私が前を走っていたのだけど・・・抜かされると思ったら、あっという間に差が開いていって・・

 私はゴールした時、たっ君の足元に わざとへたり込んで

「はぁー ハァー やっぱり 負けたネ ねぇ 起こしてよー」

「どれー」と、腕を掴んできたので

「ちがうの! ちゃんと 抱きかかえて起こすの! 前からな!」

「わかったよー」と、私の脇に腕を差し込んできた時 私は たっ君のほっぺにチュッと・・

「へへぇー 今は ここまでネ」

「今 あそこがビクンってなったよ」

「なっ なに言ってるのよー そんな・・・ アホ! たっ君 みゅうみゅんなぁー たっ君にみゅうみゅんの全部を見てもらいたかっただけヤー 好きだったから 二度目の時は 覚えておいてほしかったから・・ たっ君が言うし・・・ だけど・・ あんなことしてくるし・・ わんねー 嫌やって言えなかった だけど、男の子とあんなこと したいんと違うんやでー」

「わかってる 変なことすると みゅうみゅんとも会えんようになるしー お母さんにもくどくどと言われた」

「あのなー みゅうみゅんは たっ君のこと嫌い違うよー 大好きやー でも・・ まだ・・ そんなのことも ダメだと思うし・・ みゅうみゅんは こうやって たっ君と会えてるだけで いいの」

「他の 男に気を許すなよ」

「それは、たっ君次第やー みゅうみゅんが追いかけてきたんやから 後は、たっ君がしっかり掴まえておいてネ」と、私は、たっくんの手を握り締めていた。
 
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