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イベリス

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第百十七話 お巡りさんの名前その二

「楽しめるよ」
「日本一の繁華街と言われるだけあって」
「そうさ、色々な店もあるしな」
「美味しいお店も多いですか」
「かなりな、東京は色々な国の料理も楽しめるけれどな」
 それだけ世界各国から人が来ているということだ、その為世界のあらゆる国の料理が楽しめるのだ。
「あそこもだよ」
「歌舞伎町も」
「日本だけじゃなくてな」
「中華もありますね」
「イタリアンもタイもな」
 こうした国の料理もというのだ。
「本当に世界各国あるからな」
「楽しめますね」
「歌舞伎町じゃないけれどアフリカ料理もあるんだよ」
「アフリカですか」
「東急の新宿駅の近くだったか」
 そこにというのだ。
「あるんだよ」
「アフリカ料理のお店が」
「そこで駝鳥の卵のオムレツとか食えるんだよ」
「駝鳥って美味しいんですか」
「あれで結構な、肉もな」
 駝鳥のそれもというのだ。
「いけるんだよ」
「そうなんですね」
「そこでガゼルも食えるしカンガルーもな」
「カンガルーってオーストラリアですよね」
「それでもあるんだよ」
 アフリカではないがというのだ。
「あの生きものの肉もな」
「そうなんですね」
「まあ兎に角色々な国の料理がな」
「歌舞伎町では食べられますね」
「新宿全体で言うと料理がない国は」
 マスターは考える顔で話した。
「イギリスとかオランダ位か」
「あっ、うちの学校世界中から人が来てるんですか」
「お嬢ちゃんの学校はそうなんだな」
「八条学園でして」
「あそこの東京校か」
「そこに通ってまして」 
 それでとだ、咲はマスターにコーヒーを飲みつつ話した、今飲んでいるコーヒーはウィンナーで白砂糖を入れている。
「世界中から人が来てまして」
「あそこはそうらしいな」
「それでイギリスやオランダの子もいますが」
「その料理のない国か」
「どっちの国の子も自分の国のお料理は」
 それはというと。
「駄目だって言っています」
「だよな、イギリスでいいのは朝食とティーセットだってな」
「他はってことですね」
「映画とか観てもな」 
 イギリスのそれをだ。
「酷い料理出て来るしな」
「ハリーポッターとかですね」
「それでオランダもな」
 この国もというのだ。
「料理はな」
「駄目なんですよね」
「欧州で料理が駄目な国ってな」
 それはというと。
「まあこの二国だってな」
「言われてるんですね」
「ああ、イギリスが有名だけれどな」
 それでもというのだ。
「オランダもな」
「だからオランダの子も言わないんですね」
「そうなんだよ、料理のことはな」
「それで歌舞伎町にもですね」
「オランダ料理の店も聞かないな」
 イギリス料理のそれと共にというのだ。 
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