博士の挑戦状
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第七十七話
第七十七話 続けて引き分けて
勝負が終わってだ、カーミラは言った。
「こうなると思っていたわ」
「引き分けでか」
「ええ、私達の実力は互角というか」
博士に対して悠然と笑って言うのだった。
「同じリングに上がるとね」
「土俵ではないな」
「そこは文化の違いよ」
産まれたその国のとだ、カーミラは笑ったまま答えた。
「リングになるのは」
「そういうことじゃな」
「ええ、それで私それに先生達と同じリングに上がったら」
今度は今田先生と今日子先生を見ながら話した。
「互角になるしかないわ」
「人の世の魔術や科学であるとな」
「どうしてもね」
「貴殿も先生達も最高の魔術の使い手じゃ」
「そして魔術と科学は同じだけの力があるわね」
「そこに科学を合わせてもな」
最高の魔術と最高の科学をというのだ。
「一と一を足してもな」
「二にはならないわね」
「魔術と科学の関係はな」
「ええ、お互いに影響し合っていいものは生まれても」
それでもというのだ。
「戦闘ではね」
「そうはならぬ」
「だからね」
「わしも人の世で最高の魔術を科学を使うが」
「私達の最高の魔術とは互角ね」
「そうなる、だからじゃな」
それ故にとだ、博士も言った。
「わし等の勝負は互角となる」
「そのうえで終わるわ」
「そうであるな、勝敗は決しなかったが」
それでもと言う博士だった。
「楽しい勝負であった」
「私もよ」
カーミラはここでも悠然と笑って答えた。
「とてもね。それではね」
「また機会をあらためてな」
「戦いましょう」
こう言ってだった。
カーミラはその場から去った、そして今田先生と今日子先生もカーミラが使い魔達と共に夜空に飛び去ったのを見て話した。
「私達もね」
「ええ、帰りましょう」
「そしてお風呂に入って」
「寝ましょう」
こう言って使い魔達を従えて箒に乗って大阪城公園を後にした、後に残ったのは博士達だけとなったのだった。
第七十七話 完
2023・7・6
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