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神々の塔

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第三十六話 円卓の騎士達その六

「私の国の宗主国やが」
「起きた世界では今も連邦に入ってるね」
「イギリス連邦にな」
 シェリルは綾乃に答えた。
「オーストラリアは加盟してるわ」
「そやったね」
「起きた世界ではな」
「こっちではそういうのないし」
「あくまでな」
 イギリスがオーストラリアの宗主国であることはというのだ。
「そのことはな」
「そう割り切ってやね」
「考えることや、それでイギリス料理はな」
「オーストラリアでも評判悪いんやね」
「ああ、まずうてな」
 それでというのだ。
「とてもな」
「食べられへんか」
「こっちにもベジマイトがあるが」
 オーストラリアにもというのだ。
「イギリスにはマーマイトがある」
「あれやな」
 中里は凄く嫌そうに応えた。 
「食べたことあるけどな」
「まずいやろ」
「めっちゃな」 
 嫌そうな顔のまま答えた。
「まずかったわ」
「あれもあるしな」
「他にもやな」
「鰻のゼリーとか鰊やザリガニのパイとかな」
「下ごしらえもしてへん様な」
「そんなもんもあるしな」
「兎に角イギリス料理は評判悪いが」
 それでもというのだ。
「今私等が食べてるのはな」
「美味しいな」
「そう言えるわ」
「イギリス料理でもです」
 シェフも言ってきた。
「しっかりとです」
「調理すればやな」
「美味しいのです」
 シェフは中里に答えた。
「そうなのです」
「ちゃんと調理したらか」
「左様8です、ハギスもです」
 この料理もというのだ。
「美味しいのです」
「あの料理もやな」
「スコットランドの料理ですね」
「こっちの世界でもあるな、あれ」
 中里は今はソーセージを焼いたものを食べつつ応えた、そうしてからロックのウイスキーを一口飲んだ。
「それでや」
「美味しくないと言われていますね」
「怪獣っていうジョークもあるわ」
 これは起きた世界でもある。
「それ位な」
「言われている料理ですね」
「ああ、そやけどやな」
「そのハギスもです」
「ちゃんと調理したらか」
「美味しいのです」
 そうだというのだ。
「何でしたらお出ししますが」
「ほな注文する?」
 綾乃はシェフの今の言葉を受けて仲間達に尋ねた。
「ハギスも」
「ええんちゃうか」 
 リーはローストビーフを食べつつ応えた。
「それやと」
「反対の人おる?」 
 誰も言わなかった、これで決まりだった。
 かくしてハギスも卓上に来た、それでそれを食べてだった。中里は言った。
「確かにな」
「美味しいね」
 綾乃が応えた。 
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