イベリス
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第百十六話 交番に寄ってその七
「ちゃんとね」
「心がですね」
「成長することよ」
「そうならないと駄目ですね」
「色々なことを学んで」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「成長していくんですね」
「世の中のことをね」
「経験を積むことですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そうしたらね」
「成長して」
「大人になるわよ」
「そうですか」
「今の咲ちゃんは色々経験して」
その世の中のことをというのだ。
「学んでるから」
「だからですか」
「このままね」
「経験してですね」
「学んでね」
そしてというのだ。
「成長していってね」
「そうしたら大人になりますか」
「なれるわよ」
「なれるんですね」
「絶対とは言えないから」
だからだというのだった。
「なれるってね」
「言われたんですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「なれるなのよ」
「将来はですね」
「確実じゃないから」
「そう言われたんですね」
「そう、だからなれる様に」
その様にというのだ。
「努力していってね」
「わかりました」
咲は素直に頷いて応えた。
「そうしていきます」
「咲ちゃんいい大人になれるわよ」
またなれるとだ、先輩は笑って言った。
「このままいったらね」
「そうですか」
「そしてなれるならね」
それならというのだ。
「絶対にね」
「なるんですね」
「その意気でね」
「やっていくことですね」
「そうよ、なれるのなら」
それならとだ、また言うのだった。
「絶対によ」
「なることですね」
「そうよ」
こう咲に言った。
「いいわね」
「努力して」
「経験積んで。月並な言葉だけれど」
こう前置きして話した。
「宝石だってね」
「最初は石ですね」
「只のね」
そうだというのだ。
「磨いてね」
「宝石になりますね」
「だからね」
それでというのだ。
「皆よ」
「努力することですね」
「これ自体がね」
努力がというのだ。
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