リュカ伝の外伝
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心と身体を温める温泉
前書き
正月ボケを吹き飛ばせ!
そんな勢いで書いたエピソードです。
でも下書きを書いたのは
まだまだ暑い9月初旬です。
(サラボナ通商連合領:山奥の村)
アルルSIDE
グランバニアにも新年が訪れる。
当然だが世界各地も年が明けて新年と呼ばれる。
どの国の国民も、その年を労う為に年末休暇を取り、新たな年を祝う為に年始休暇を取得する。
大国グランバニア王家もその例に漏れない。
だが国民と違い完全に休業する訳にもいかず、王家の者は働き続ける。
公共機関も年末はギリギリまで稼働し、年の瀬で忙しい国民の手助けをしている。
しかも王家は新年の三元日も公務が入っており、元日はグランバニア城2階の北側テラスや城下の各地で集まった国民達に顔見せと挨拶をし、1月2日は国内の貴族等がグランバニア城へやって来ての新年会が催され、1月3日は国内外で活動する財界人等との新年会に明け暮れる。
その3日間が終わり、やっと静かに新年を迎えられるのだが、王家……特に現役国王と次期国王候補(第一王位継承者)が同時に公務から離れる事を避ける為、一週間程ずらしての年始休暇になるのだ。
当然先に休暇に入るのは現役国王陛下……つまりお義父様だ。
各大臣も半分が同期間に休暇入りする。
他国とは違い我がグランバニアは限られた者だけが所有するMHがあるため、有事の際は対応が出来る。
1月も半ばに差し掛かり、国王陛下が年始休暇から戻ってきたタイミングで、私の夫であるティムアル王太子殿下も年始休暇に突入する。
今年は私の希望でアミーに“露天風呂”を体験してもらいたく、お義母様の実家がある“山奥の村”で休暇を過ごす事になった。
最近でこそこの村は良質な温泉地として人気が出てきているけど、交通の便はあまり良くなく観光客はそれほど多いとは言えない。
とは言え国(サラボナ通商連合)からは維持の為の補助金は出てる(とある国の王様からの圧力で出させられてる)らしく、廃れて消える事はないそうだ。
私を含めグランバニア王国の者からして、この山奥の村は物理的距離が遠く、頻繁に訪れる事が出来る場所では無い。
だがそれも今後は変わるであろう……
ティミーの腹違いの妹であるリューナが、また新たなマジックアイテムを開発したのだ!
その名も『ルーラストーン』と言う。
名前の通りルーラという瞬間移動魔法が誰にでも簡単に使用できる様になるアイテムだ。
とは言え、現在はまだ試作段階であるらしい。
大きさも縦・横・奥行きが10cmくらいある立方体で、携帯するのには些か邪魔な物体だ。
この大きさのRS1つで、5人……抱っこできる赤ん坊が居るのなら7人くらいしかルーラが出来ず、人間の人数だけでギリギリだと荷物も運べない程度らしい。
試作段階の試験を兼ねた運用として今回RSを使用したけど、我が家の様に大人の夫婦と赤子が一人……プラスで旅行用の荷物を移転させるくらいには丁度良い。
しかも一回使用したら魔力をフルチャージしないと再稼働できず、行き先も一カ所しか設定できない仕様な為、往復で2個必要になり荷物を圧迫する状態だ。
更に行き先設定は、RSをその場に持って行って、場所をRSに記憶させなければならない。
開発者曰く『もっと小さく、もっと便利に改良していく予定』だそうだ。
まぁ彼女の事だからもっと便利なアイテムへと昇華させてくれるだろう。
だが今回の様に少人数での旅行には、現状でも十分に便利なアイテムである。
さて、そんな便利アイテムを使って訪れた温泉……
タイミング的にも一般の年末年始休暇よりかはズレての訪問だった為、村人以外は少なく温泉も貸し切り状態で堪能できる……はず。
ここの温泉は混浴だが、タオルを巻いての入浴は可能。
他人(家族意外など)が居ない時はタオルを外して温泉を楽しみ、他人が入って来たらタオルで隠して入浴する。
水着などでは身体を洗う時に不便なので、この方式は非常に助かる。
お義母様の実家に泊まっている為、お義祖父様にお世話になっているのだが、孫夫婦が曾孫を連れて訪れるのが珍しいので、過剰なまでにもてなされていると思う。
無下にも出来ないからティミーが対応してくれているが、私は娘の世話もあるから、申し訳ないけど先に入浴させてもらっている。
お義祖父様も結構な量のお酒を飲んでいらしたし、もう少しすればティミーも温泉に来るかも知れない。
そう思いながらも私は夜の貸し切り状態温泉を堪能していた。
温泉デビューのアミーも楽しそうにしている。
正月休暇で山奥の村へ行くと知ったお義父様がアミーの為に、市販のオモチャを3つ買ってきてくれた。
それはお風呂などで遊ぶオモチャで、材質は水に浮く様に加工された木……それを“しびれくらげ”“プクプク”“しんかいりゅう”に形取り塗装(各モンスターと同じ)をし更には特殊な防水加工を施したオモチャだ。
“しびれくらげ”と“プクプク”は可愛いから人気があるらしいが“しんかいりゅう”は可愛くなどころか怖い見た目だし、子供に人気が無いため売れ残っているらしい。
何所の店で買ったのかは聞いて無いが、在庫処分という名目で“しびれくらげ”と“プクプク”だけの料金で“しんかいりゅう”を譲渡してもらった……と言っていたわ。
アミーは当然“しびれくらげ”と“プクプク”を気に入った。
だがお義父様からのプレゼントと言う事で“しんかいりゅう”も気に入っている。
お義父様からの悪影響を懸念して、可能な限り近付かせない様にしているのだが、影響力が尋常じゃない所為でアミーの将来が心配になる。
そんな事を考えながらアミーを抱いて湯船に浸かっていると、背後の脱衣所から人の気配がした。
ティミーかなとも思ったが、万一に備えて素早くタオルで身体を隠す。
アミーに巻き付ける訳にはいかないから、抱いている時は身体に小さめのタオルを乗せて隠す。
判断が速かったお陰で気配の者が浴室に入ってくる前に支度が完了。
そして備えた甲斐があり、入浴客はティミーではなく知らない男性だった。
湯船に浸かっている私からは背後になる為、しっかりと確認はしていないが年齢的にはティミーと同じくらい……
「こんばんはマダム。月がとても美しく、素晴らしい温泉日和ですね」
そう言って見知らぬ私に近付いてくる。
顔を確認する為に振り向いて視線を上に移動する。
その途中……見たくはなかったが隠してない為に見えてしまったこの男の男部分。
自慢の部位なのか、見せ付ける様にブラブラさせている。
私の知識的基準は夫のモノなので、彼の部位は大きいとは思えない。
だが私が知らないだけで平均値なのかも知れないわね。
「こんばんは……この村の方では無い様ですね。ご旅行ですか?」
この男が視界に入らない様前方を向いて挨拶を返した。
「ええ、私はラインハットの貴族なんですけど、心身を癒やす為にこの温泉に参りました」
何で一々貴族である事を強調するのか解らないが、直感的に私の嫌いなタイプだと思われる。
「おっと申し遅れました、私……ネル子爵家の者でして、ドン・ファン・ネルと申します」
私の直ぐ傍まで来て片膝を付いて話しかけ続けてくる。
視線は前方だけを見る様にしているが、私の顔の左側で部位をブラブラさせているのが分かる。
不愉快だ。
「おや、マダムのお子さんですか? 可愛らしい……女の子でしょうか?」
「はい女の子です。なので申し訳ございませんが、タオルか何かで覆って頂けませんか? この娘には見せたくないので!」
早く仕舞え馬鹿。
私はアミーが男を見ないようにと顔を娘に向けた。
私の顔を見ていてほしかったからだが、アミーは先程までの笑顔は無く、眉間にシワを寄せて男の事を睨んでいる。
コイツを見てはいけません。
そんな思いで無理矢理顔を私の方へ向けようとした瞬間……
アミーは手に持っていたオモチャ(しんかいりゅう)を勢いよく男へと投げ付けた!
(スコーン!!)
綺麗な音が響き渡る。
驚き視線を男に向けると……まだ1歳にもならない赤子が投げ付けたにも関わらず、男は勢いよく仰け反り引っ繰り返る。
顔面に当たったらしく顔(特に鼻)を左手で押さえながら起き上がる男。
そしてよく見ると手の隙間から赤い液体が滴っている。
流石にやり過ぎだと思う……軽薄なナンパ男とは言え負傷させるのは拙いわ!
謝って介抱しようと少し腰を上げた時、男が「クソガキー!」と怒鳴りだした。
確かに怪我をさせてしまった事は申し訳ないと思う。
だがしかし……相手は赤子だぞ。
大声で恫喝する様な相手ではない。
意味など解ってないだろうし、故意に行った事でもない……多分。
心では怒り心頭でも、表面的には『やんちゃな子供だな』的な余裕を見せて欲しい。
だが本人も先程言っていたが“ネル子爵”という名のぬるま湯で育った為、赤子に対しても余裕を持てない大人に成長したナンパ男は、怒りを露わに近付いてくる。
身の危機を感じた私はアミーを庇う様に男から距離を置いた。
相手の動きを見る限り如何やら素人同然だった。
この国に来て剣を捨てたとは言え、この程度ならば簡単に去なせる。
そうは思ったが凄い勢いで私達に近付いてきた為、慌ててしまった私は思わずライデインを唱えてしまった。
勿論直撃させる訳にはいかないから、男より少し離れた所に落ちてた“しんかいりゅう”に雷撃を落とした。
だが戦いを捨ててからのブランクと、我が子を守りたいという思いで魔法の選択を誤った。
選りに選って水場で雷撃魔法を使用してしまったのだ。
私とアミーは魔法発動時の術者を守る加護で無事だったが、温泉水を伝って電撃が男に走り込んだ!
加減したつもりのライデインだったが、それでもライデインだ。
既に湯船にまで侵入してきてた男は、私の雷撃で全身が強ばり仰け反った状態で倒れ込む。
しかも最悪だったのは、倒れ込んだ時……浴槽の縁に顔面を打ち付けてしまった事だ。
アミーが投げ付けたオモチャで少し鼻を傷つけ出血していたけど、浴槽に顔面を打ち付けた事で更なる出血が巻き起こる。
不運な事に男は意識を失ってはおらず、まだ身体に残る電撃と相俟って陸に揚げられた魚の様にビクンビクンと痙攣していた。
慌てて近寄りベホマで傷を癒やす。
だがまた私は失念していた。
骨折した状態での回復魔法は御法度なのである!
男の鼻は浴槽の縁に打ち付けた時に激しく折れ曲がっており、形を整えずにベホマを掛けてしまった故……そう、曲がった状態で固定してしまったのだ。
痛みの消えた男は近付いてしまっていた私の右腕を掴むと、徐に私の身体に巻き付けてあったタオルを剥ぎ取り大声で「ずいぶんな事をするじゃないか! 詫びは母親のアンタが身体で払ってもらうぞ!」と押し倒してきた。
私はアミーを守る事に精一杯で、自分を守る事が出来ずに馬乗り状態に陥った。
今度は殺すつもりで魔法を唱えようとした……その瞬間。
「如何した!? 大丈夫かアルル!!」
と、脱衣所の方から我が愛しの夫の声が聞こえてきた。
ライデインという爆音が鳴る魔法を使ったからだろう。
その音に驚いて夫は駆け付けて……そして最もタイミングの悪い状態を目の当たりにしてしまった。
「貴様、何をしているか!!??」
世の中の夫(に限らず男性)からしたら当然の反応だ。
真っ裸の男がタオルを剥ぎ取り馬乗りになって襲っているのだから激怒もする。
凄い勢いで私等(どちらかというとナンパ男)に近づき、私から引き剥がそうとした……のだが、またまた落ちていた“しんかいりゅう”を踏んでしまったティミーは、勢いそのままに私の上に馬乗りしていたナンパ男を蹴り飛ばしてしまった。
格闘経験が豊富で強さも保証付きの勇者様が、突発的な踏み込みの勢いで一般人を蹴り飛ばしたのだ……それはもう凄い勢いで飛んでいくナンパ男。
内湯であれば壁や天井にぶつかるだけで終わったのだが……ここは露天風呂。
しかも蹴られ吹き飛んだ先は下り斜面。
枝木の折れる音が聞こえるが、それも遠離る。
相当山の下まで降りて(落ちて?)行ったが、夜の暗さと覆い繁樹木で姿は確認できなくなった。
「な、何があったんだね!?」
遅れて入って来たお義祖父様と温泉の管理人。
私はティミーにも含めて事の顛末を説明する。
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「そ、そうか……それは大変な目に遭ったね」
加害者を一瞬も見る事の出来なかったお義祖父様は、困った様に私に気を使ってくれる。
何となくだがお義祖父様の言葉の奥には隠された感想が見えてくるわ。
きっと『流石はリュカの息子だな……やる事が過激だ』的なニュアンスのモノだろう。
だって妻に狼藉を働いた者に対してだとしても、冬山の急斜面に突き飛ばすなんて常識的ではない。
でもアレは不可抗力なのは私は解ってる。
「しかし……その男は無事だろうか?」
温泉の管理人さんがナンパ男の心配をする。
当然ではある……雪山に真っ裸で突き飛ばされたのだ。凍死の恐れがある。
「ですが……探す事も出来ないでしょう。夜中の雪山に入るのは危険ですからね。衣服を取り戻しに自力で戻ってきてもらうか……でも戻ってくるかな? 女性に暴行を加えようとした男ですからな。そのまま逃亡でしょう」
「だとすると明日の日の出から捜索するしかないでしょうな。罪人を捕まえるという意味を含めても……」
温泉の管理人さんとお義祖父様が話し合う。
流石のお義祖父様はティミーが悪くないという事を強調している。
だが取り敢えずは事態が収束に向かっていく。
私も何時までも裸(タオルを巻いている)状態でいる訳にもいかず、アミー共々着替えてお義祖父様の家へと向かった。
こんな事があったのだ……アミーも怖がっているだろうと思ったのだが、再三に渡ってナンパ男を不幸にした“しんかいりゅう”のオモチャが気に入り、抱き締めて眠りについていた。
この子のトラウマになってなければ良いけど……
「君たち二人が無事で本当に良かった」
娘を寝かし私もベッドで横になっていると、私とアミーを抱き締めてティミーが優しく呟く。
こんな夫の温もりが私を幸せにしてくれる……ああ、願わくばこの幸せが永遠であります様に。
「あ、思い出した!」
「ど、如何したの!?」
幸せに浸り眠りにつこうとしていたのだが、突然重要な事を思い出した。
「あのナンパ男なんだけど……」
「あの男が如何したの?」
「名乗ったのよ……自分の名前と身分を」
「犯罪者なのに?」
「犯罪を犯すつもりは無かったんでしょ……ただのナンパだから」
「なるほど……それで何か問題でも?」
普通に考えたら奴の名前も身分も関係ない。だが……
「あの男……自分の事を『ラインハットの貴族』『子爵家のドン・ファン・ネル』って言ってたの」
「ラ、ラインハットの……そ、それは本当かい!?」
この状況でこんな嘘を吐く意味は無い。勿論ティミーも解っている。
「私は勿論知らないんだけど、ラインハットのネル子爵って……知ってる?」
「知ってるの何も……ネル子爵家はラインハット王家には重要な貴族家だ。参ったな……国際問題にならなければ良いのだけど」
流石に外務大臣をしているだけあって諸外国……特に友好国の有力者の事は知っていたわ。
「如何する? 今からでも救出の為に捜索をした方が……?」
「いや~……捜索と言っても危険な夜の雪山に村人を向かわせる訳にもいかないし、何よりもこの村の人員だけじゃ圧倒的に人手が足りない。下手には動けないよ」
「こ、困ったわね」
「う~ん……」
ティミーは上半身を起こしこめかみに右手を当てて悩んでいる。
「明日の……朝一に……ウルフ君に相談しよう。国際問題になれば、僕等だけじゃ決定できない。彼の悪知恵に頼るしかないだろうなぁ……イヤだなぁ……」
そう言いながらティミーは再度横になる。
だが如何にも気がかりで眠れないらしく、小一時間悩んだ末に今すぐに連絡を入れる事に……
まだ日付こそ変わってないが夜中と言える時間帯にMHでコールする。
現れた宰相閣下は不機嫌その物だった。
少しだけ衣服が開けていたので恋人のどちらかと楽しむ直前だったのかも知れない。
だがティミーが夜中にくだらない理由で連絡してくるワケはないと解っているので文句は言わずに内容を聞く。
ただMHに出た直後には舌打ちしてた。
とは言え内容を聞いた宰相閣下は即座に仕事モードに突入。
『今すぐにリュカさんに報告します!』と……
いやいやいや……これ以上大事にしないでよ!
勿論ティミーもお義父様には知らせたくないと言ったのだが……
『知らせねーワケにいかねーだろ!』
と一喝された。
お義父様もMHに出てくるという事で、アミーの傍に居たくなかった私達はリビングへと移動する。
お義祖父様は熟睡している様で、起きてくる気配は無いが、それでも声は潜めて話す。
宰相閣下も移動した様で背後を見ると謁見の間だと思われる。
そこに登場するは国王陛下。
こちらは先程までナニをしていたかは悟らせない。
私とティミーは今夜の出来事を報告する。
その後で宰相閣下がネル子爵家について説明。
如何やら私をナンパしたドン・ファン・ネルは、子爵家の四男……末弟だそうだ。
全てを聞き終えたお義父様は、何時もの爽やかな笑顔を見せて、
『何もしなくていいよ(笑)』と仰った。
いいわけないでしょ!?
『其奴が雪山で凍死したら、それはそれで構わない。後の事は全部、僕が処理するよ。村の方々には奴の正体は教えなくていい。知ってしまったのなら、それはそれで構わないけど、ワザワザ教える必要は無い。知らない方が幸せな事ってあるからね(笑)』
そう言いながらお義父様はケラケラと笑いながらMHの撮影範囲から出て行ってしまった。
そんな国王陛下のお言葉を聞いた宰相閣下は少しだけ困惑したが、先程の不機嫌な表情が嘘の様に毒気が抜かれた声で『だってさ。下手に動くなって』と言う。
この二人がこう言うのなら、そうするのが一番良いのだろう。
MHを終了させて私もティミーもベッドに戻る。
本当に大丈夫なのか不安は残っているが、お義父様の言葉で気は楽になった。
なんせ頼りになる事は間違いないのだから。
アルルSIDE END
後書き
ドン君を書くと、
何故だか長文になる。
愛が止められない。
まだまだ活躍させたい。
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