ハッピークローバー
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第九十四話 暦のうえでは秋だけれどその八
「夏以外の季節夜お外で寝たらね」
「凍死するの」
「ホームレスの人って夜はひたすら歩くらしいのよ」
自分に顔を向けてきた一華に話した。
「それで身体暖めるらしいの」
「ああ、歩いて身体を動かして」
「そうしてね。ビニールや段ボールで住まい造ってない人は」
そこで暮らしていない人はというのだ、世の中様々な事情でそうした生活を送っている人もいるのだ。
「もうね」
「夏以外はなの」
「夜は歩いて」
ただひたすらというのだ。
「冷えない様にしているらしいわ」
「そうなのね」
「それでお昼にね」
気温が高い時にというのだ。
「寝るらしいわ」
「日本でもそうなのね」
「東京とかでもね」
「日本でもそうなのね」
「ええ、ただその日本の寒さは」
「欧州から見たら何でもないのよね」
「それは間違いないわね」
聖花もこのことは否定しなかった。
「やっぱり」
「私達が寒いって言っても」
「何でもないのよ」
日本の冬の寒さはというのだ。
「これといってね」
「白夜とかオーロラとか」
一華はこの自然の話をした。
「奇麗だっていうけれど」
「それでもね」
「そういうもの見られる場所って寒いわよ」
「それもかなり」
「それだけ緯度が高いってことだし」
「一度観たいけれど」
一華は口をへの字にさせて述べた。
「寒いのはね」
「嫌よね」
「流石に」
「それはね」
どうしてもというのだ。
「お断りよ」
「そうよね」
「絶対にね」
二人も一華の言葉に頷いた。
「寒いのはいいわ」
「そういうのだけ見たいわ」
「そうよね、けれどこの目で見たいなら」
一華はそれならと考えつつ言った。
「そこに行くしかないのよね」
「そうよね」
「寒い場所にね」
「本当に吐いた息が凍る」
「息や睫毛が凍る場所にね」
「そうよね、しかしそんなとこによく人が住んでるわね」
一華はこうも思った。
「流石に殆どいないらしいけれど」
「北欧って何処も人口少ないのよね」
「寒過ぎてね」
「農作物も育ちにくいし」
「暮らしにくいしで」
「それで少ないのよね」
こう二人に言うのだった。
「流石に」
「まあ当然よね」
「それだけ少ないのも」
「そうよね、まあ暑過ぎず寒過ぎず」
一華はここで話を戻した、そのうえで言った。
「それが一番よね」
「そうよね、それはね」
「真ん中が最高よね」
二人もそれはと頷いて答えた。
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