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星河の覇皇

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第八十四部第五章 宣言に向けてその三十四

「中央政府も各国政府もな」
「どちらもですね」
「そうだ、一つもな」
「国防費が一パーセントを超えた政権はなかったそうですね」
「総生産のな」
「そうした国なので」
「今もだ」
 まさにというのだ。
「そうした政権は存在しない」
「一つもですね」
「若し過度に国防費を出す政権があれば」
「計画を出した時点でだ」
 その予算のというのだ。
「有権者から批判される」
「意味がないと、とですね」
「そちらに予算を使うならだ」
 それこそというのだ。
「他の分野に予算を回せ」
「そうなりますね」
「そうなることがだ」
 まさにというのだ。
「目に見えている」
「それが連合ですね」
「何しろ国防費は支出だけだ」
「そのことが大きいですね」
「しかも市場が狭い」
 兵器のそれはというのだ。
「軍需産業程実入りがない産業もない」
「よく言われることであり」
 カバリエが応えた。
「そして実際にです」
「実入りがない」
「それで軍需産業を持っている企業グループも少ないですね」
「技術と設備の投資がかなりのレベルの企業でないと駄目だが」
 それでもというのだ。
「そうした企業はどうしてもだ」
「少ないですね」
「そうだ」
 現実として、というのだ。
「連合でもな、そしてだ」
「それでそちらを行っていても」
「採算が取れにくい」
「左様ですね」
「だからそうしたグループは何処も他の産業で採算を取っている」
「それが現実ですね」
「軍需産業をやるならだ」
 アッチャラーンは連合でよく言われていることを述べた、このことは実際に連合という国ではその通りのことである。
「歯ブラシを作った方がだ」
「採算が取れますね」
「兵器は売れない」
「軍隊か武装組織位にしか」
「銃なら売れるが」 
 そうした武器はというのだ。
「狩猟や護身でな」
「銃は流石に売れますが」
「安定してな、だがだ」
「それでもですね」
「艦艇や艦載機が売れるか」
 それはというのだ。
「言うまでもない」
「連合ではまさに」
「歯ブラシは幾らでも売れる」
 アッチャラーンはきっぱりと言い切った。
「誰もが使う」
「安定して」
「しかも技術や設備の投資はだ」
「兵器より少ないですね」
「遥かにな、採算は普通に取れる」
「歯ブラシを売るなら」
「いい歯ブラシは誰でも買う」
 それこそ連合の者ならというのだ。 
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