八条学園騒動記
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第七百十五話 ジャイアントアナコンダその九
「やはり人間を丸呑みに出来る」
「そうなりますね」
「だから危険だ、ましてコブラはニシキヘビより攻撃性が強い」
「尚危険ですね」
「何でも日本軍は分隊で睨み据えて退けたらしいが」
「日本軍ならありますね」
上等兵はその話を不思議としなかった。
「彼等は強いです」
「連合随一と言われているな」
「その精強さは」
「弱兵と言われるがな」
連合の軍隊はよくそう言われる、数と装備はいいがその質は規律だけで戦力としては弱いとである。
「しかしな」
「日本軍は違いますね」
「義勇軍とな」
この軍隊と、というのだ。
「日本軍は違う」
「よく鍛えられていて」
「訓練も厳しくてな」
「侍ですね」
「そうだ」
大尉は忌まわし気に答えた。
「彼等はな」
「今もそうですね」
「エウロパは騎士でだ」
「日本は侍即ち武士ですね」
「今もな」
この時代においてもというのだ。
「忍者や公家にな」
「武士がですか」
「存在している国だ」
「階級はなくなろうとも」
「その心がな」
これがというのだ。
「残っているのだ」
「そうした国ですか」
「だから四季を愛し和歌を詠みな」
「公家達の様に」
「そして武道もしてだ」
「忍術もですね」
「今も残っているのだ」
そうだというのだ。
「日本はな」
「そうした国ですね」
「そしてだ」
大尉はさらに話した。
「日本軍は武士でな」
「巨大な猛獣を前にしてもですね」
「睨み据えてだ」
その彼等をというのだ。
「追い返せる」
「そうした者達ですね」
「エウロパ戦役でも最も強かったのはな」
連合軍の中でというのだ。
「日本人だったな」
「はい、連合軍の将兵達は弱兵でも」
上等兵も応えて話した。
「しかし義勇軍とです」
「日本人は違ったな」
「死を恐れない様な」
「そうした戦いぶりだったな」
「そうでしたね」
「だから探検の時もな」
軍が派遣されるその任務の時もというのだ。
「非常にだ」
「強いのですね」
「そうだ」
こう上等兵に話した。
「装備に頼らずな」
「彼等自身が強いのですね」
「各国の場合は装備と組織力に頼る」
「連合持ち前の」
「そうだ、だから損害は非常に少ないが」
探検の時のそれもというのだ、猛獣に襲われるだけでなく疫病や事故の問題もありそれは最低限であっても避けられないのだ。
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