ハッピークローバー
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第九十三話 最悪の日その十二
「行った方がいいわね、じゃあね」
「明後日からね」
「行きましょう」
「二学期からね」
「まあ確かに明後日はしんどいけれど」
理虹はこのことを否定せずに言った。
「それが終わったらね」
「すぐに慣れるわね」
「どうせ始業式だけだし」
学校であるのはというのだ。
「終わったら部活だし」
「楽よね」
「私達皆部活嫌じゃないしね」
「酷い先生とか先輩いないしね」
「同級生だってまともだしね」
皆そうでというのだ。
「環境いいしね」
「行くべきね」
「ほら、あの最底辺校言ったあいつ」
理虹は嫌そうに言った。
「大峪とかいったわね」
「ああ、あの蛸坊主みたいな顔したチビね」
富美子はその名前を聞いて嫌そうに言った、そして自分の記憶の中にあるその輩のことを思い出しつつ言った。
「学年皆から嫌われてた」
「男子の中でダントツね」
「あいつ最低だったのよね」
「ケチで底意地悪くて図々しくて弱い者いじめ大好きでね」
「自分の嫌いな相手のことその人と仲の悪い相手に色々拭き込んだりしてたのよね」
「そう、それで悪事皆が知ってね」
そうしてというのだ。
「総スカンになってた」
「あいつね」
「内申点も最悪になって」
悪事がばれてというのだ。
「高等部に進学出来なくなって」
「成績よかったでしょ、あいつ」
「周り皆から来るなって面と向かって言われたらしいのよ」
理虹はこのことも話した。
「それでね」
「高等部受験しないで」
「県内でも最底辺の学校に行くしかなくて」
「今そこにいるのね」
「そこでも碌でもないことしかしていないみたいよ」
「つくづく性格が悪いのね」
「それでその大峪みたいな奴もね」
性格が悪い所謂嫌な奴と呼ばれる輩もというのだ。
「いないし」
「私達は部活嫌じゃないわね」
「だったら」
「始業式終わったら部活」
「それだけだしね」
「何でもないわね」
富美子もそれならと頷いた。
「確かに」
「そうでしょ、じゃあね」
「明日はゆっくりして」
「明後日はね」
それからはというのだ。
「元気に登校よ」
「一学期にそうしたみたいに」
「そうしましょう、気分よくね」
「それじゃあね」
富美子も頷いた、そうしてだった。
五人で歌って飲んでカラオケボックスでの一時を満喫した、そしてそれが終わってからだった。富美子は家に帰り。
鮭が回って赤くなった顔でだ、姉に言った。
「明日はゆっくりするわ」
「そうするのね」
「それで明後日から学校行くわ」
「そうしなさいね、誰でも学校行くのが一番嫌な日だけれど」
姉もこう言った。
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