ハッピークローバー
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第九十三話 最悪の日その二
「もうね」
「夏休みないのね」
「あってもお盆位の」
「短い間ね、ただスーパーだと」
この業界に就職していると、というのだ。
「お盆もゴールデンウィークも連休もね」
「全部なの」
「稼ぎ時で」
「休みないのね」
「それでね」
富美子はさらに話した。
「週二回位お休みあって」
「それで休んで」
「長いお休みはあまりね」
「ないのね」
「そうみたいよ、あとバレンタインやクリスマスは」
こうした日はというと。
「完全に稼ぎ時で」
「チョコレートやケーキを売る日ね」
「プレゼントとかデートの日とか」
「思わないのね」
「親戚そうした日絶対に働いているから」
それでというのだ。
「クルシミマスとか言われても」
「リア充爆発しろとか言って」
「そうしたこともね」
巷で言われている様なこともというのだ。
「全くね」
「ないのね」
「そう言ってるわ」
「夏休みないって」
一華は腕を組んで言った。
「それはね」
「嫌よね」
「ええ、どれだけいいか」
こう富美子に言うのだった。
「夏休みが」
「だからそれがないとね」
「私も嫌よ」
「そうでしょ」
「けれど考えてみたら」
一華はこうも言った。
「私達この夏部活にアルバイトに宿題に」
「遊びもしたし」
「色々あって」
それでというのだ。
「夏休みっていっても」
「あまり休んでないわね」
「そうだったでしょ」
「そうね」
富美子も否定しなかった。
「言われてみれば」
「そうでしょ」
「ええ」
「まあ夏休みはね」
「休みでだらだらする時期か」
「そう言われるとね」
それはというのだ。
「違うわね、むしろそれはそれで忙しい」
「そんな時期ね」
「そうじゃない?ただそれでもね」
一華は一呼吸置いてから言った。
「やっぱり八月三十一日は私もね」
「嫌な日よね」
「そのイメージがあるわ」
「そうよね」
「甲子園が終わったら」
高校野球、夏の選抜である。
「もうそろそろね」
「夏休みが終わるって」
「私は思うけれどね」
「それで明日になったら」
「遂にってなるわよね」
「どうしてもね。しかし実際夏休みの間ただだらだらしてるだけの人って」
一華はカラオケのソファーに座った状態で腕を組み考える顔になって述べた。
「案外ね」
「少ないわよね」
「部活とかアルバイトとか塾の講習とかで」
「忙しいわよね」
「うちの兄貴だってね」
留奈は彼の話をここでした。
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