| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダー電王 約束の場所

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「そうなんですか」
「わかってくれたわね」
「はい。確かにカイは特異点にしてはおかしいと思っていましたけれど」
「おかしいのは性格よね」
「何か。いつも楽しんでるみたいでした」
 そのカイを指しての言葉だった。
「退屈を嫌っていましたし。だからだったんですか」
「スサノオはね。気の遠くなるような長い間その牢獄の中にいて」
 スサノオという言葉が出た。
「それでずっとそこから出る機会を探しているのよ」
「それで牙王は」
「そういうこと。あのデンライナーはスサノオのいる空間を時間から探してその入り口を破壊する為のものだったのよ。盗賊をライダーにしてね」
「へっ、道理で柄の悪い野郎だったぜ」
「先輩はそれは言えないじゃないかな?」
「うるせえ亀野郎!」
「まあまあ怒らない」
 二人のやり取りは相変わらずだった。
「そんなの関係ねえだろうが」
「それはそうとや」
 キンタロスがここで言った。
「その牙王も復活しとるんやったな」
「そういうことよ。それで空間の入り口を探しているのよ」
「で、カイは?カイは?」
 リュウタロスはカイについて尋ねる。
「生きているんだよね、あいつも」
「カイはスサノオの分身の一つだからね」
 スマートレディがリュウタロスに答える。
「それはやっぱり。生きているのよねえ」
「それさっき御聞きしましたけれど」
 良太郎がここでさらに彼女に尋ねる。
「それでカイがスサノオの分身の一つだっていうのは」
「カイはね。首領の退屈や遊び心の具現化なのよ」
「スサノオの」
「そうよ。とにかくあの人いつも退屈しているの」
 これが説明だった。
「それでどうにかそれを解消したいといつも思っていて。それでね」
「それがカイに」
「そういうこと。それでそのスサノオの分身のカイと牙王が手を組めば考えることって一つしかないわよね」
「牢獄から出たいんだな」
 桜井はこう予想を立てた。
「それしかないわよね」
「御名答。流石は桜井侑斗君」
 少し茶化すような拍手だった。
「やっぱり仮面ライダーゼロノスだけはあるわ。お姉さん感心するわ」
「それはいいとしてだ」
「あら、つれないのね」
「それどころじゃないだろう?あのカイと牙王が手を結んだんだぞ」
 桜井はそれを危険視していた。二人の力をよく知っているからだ。
「何とかしないと大変なことになるぞ」
「それじゃあ侑斗、俺にいい考えがある」
 デネブがここで言ってきた。
「いい考え?」
「そうだ、皆で手分けしてカイと牙王を探そう」
 こう提案するのだった。
「そうすればすぐに見つかるぞ」
「馬鹿、実質動けるのは四人なんだぞ」
「四人?」
「俺と野上とハナ二人と。それだけだろうが」
 こうデネブに言う。
「御前等みたいに変な格好でしか出られないのは問題外だぞ」
「大丈夫だ。変装すれば」
 デネブは自分のことがわかってはいなかった。
「俺だっていつも街を出歩いてるじゃないか」
「あれ、凄く怪しいよ」
 良太郎が彼に突っ込みを入れる。
「ちょっと。まずいんじゃないかな」
「ほら見ろ」
 桜井は良太郎の今の言葉をデネブに対して見せる。
「野上もこう言ってるだろうが」
「そんな。凄くいい方法だと思ったのに」
「まあそれでも四人ででも何もしないよりはましか」 
 一応はデネブのやる気も受けるのだった。
「それでやってみるか」
「そうね」
 最初にそれに応えたのはコハナだった。
「じゃあやっぱりそれで」
「私もそれでいいわ」
 ハナも頷いてきた。彼女はずっとコハナの向かいの席に座って話を聞いていた。桜井に身体を向けて答えるのだった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧