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星河の覇皇

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第八十四部第四章 続く会談その五十二

「左様でしたね」
「かなりのものでしたね」
「あの凄さは」
「まさに」
「恐ろしいものでした」
「ですが」
 それでもと言うのだった、スタッフ達も。
「彼だけではありませんでした」
「あの時のアルゼンチンは多くのスター選手がいました」
「マラドーナ以外にも」
「多くの英雄と呼べる人物がいました」
「そうよ、それでね」
 その結果というのだ。
「アルゼンチンは優勝したわ」
「マラドーナという英雄を中心として」
「多くの英雄がいたからこそ」
「それで、ですね」
「マラドーナは確かに凄かったわ」
 その大会を自分の大会と言わせるまでにというのだ。
「そうだったけれど他にも英雄達はいたわ」
「スポーツならそうですね」
「流石に同じチームや国でポジションが重なると違いますが」
「それでもですね」
「それでもいいですね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「英雄といっても分野によってはね」
「一人だけしかいてはならないとはなりませんね」
「多くいてもいいですね」
「そうであっても」
「そうよ、そしてね」 
 それでとだ、伊東はさらに話した。
「政治でも英雄が同じ陣営に何人かいてもね」
「いいですね」
「トップの座は一人であっても」
「それでもですね」
「少なくとも民主制ではそうよ」
 このシステムの国家ならというのだ。
「別に何人いてもいいわ」
「覇権を争い皇帝になるのでなければ」
「そうでなければですね」
「構わないですね」
「そうよ、だから連合やエウロパはいいのよ」
 そしてマウリアもというのだ。
「それでもね、英雄は本当にね」
「それぞれですね」
「分野と状況で大きく変わる」
「そうした存在ですね」
「そうなるわ。さて連合の英雄が出てくれば」
 伊東は八条のことを考えつつ笑みを浮かべて話した。
「果たしてどうすべきか」
「今からですね」
「考えられますね」
「そうしておくわ」
 こう言ってであった。
 伊東はスタッフ達と明日のことも話してホテルに帰って休んだ、そしてその次の日も己の職務に励んだ。 
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