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神々の塔

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第三十二話 荒野の蛇その二

「蛇が多いから神様もや」
「蛇やな」
「虹蛇や」 
 この存在だというのだ。
「私はアボリジニーやが」
「アボリジニーの信仰やとやな」
「神様は虹蛇でな」
「その信仰があるな」
「そや、私自身や」
 シェリルもというのだ。
「虹蛇を信仰してる」
「それが神具にも出てるな」
 中里が言ってきた。
「まさに」
「ああ、ユルルングルもエインガナもな」
「ワムナビもやな」
「そしていつも乗ってる天蛇もな」
 乗りものの神具もというのだ。
「全部や」
「虹蛇やな」
「そや」
「はい、まさにです」
 その天蛇が宙に出て来て言って来た。
「私共はまさにです」
「虹蛇やな」
「左様です」
 天蛇は中里に笑って答えた。
「アボリジニーの信仰にある」
「神様やな」
「精霊ともされる様ですが」
 それでもというのだ。
「そうした存在とです」
「されてるな」
「これもな」
 シェリルは天蛇を見上げつつ中里に話した。
「オーストラリアに蛇が多いからな」
「信仰にもなってるな」
「ああ、蛇の信仰は多くの国にあるけど」 
 その中には龍に対するものもある、その龍の中国にしてもオーストラリアにしても蛇を神として崇拝しているということだ。
「別にな」
「おかしなことやないな」
「悪魔になってる場合もあるけどな」
「毒や外見のことからな」
 リーが言って来た。
「昔から」
「聖邪両方があるな」
「蛇にはな、そしてな」
「アボリジニーではな」
「蛇は聖となってるな」
「この世をそれぞれの役目で司ってる」
 そうしたというのだ。
「神聖な存在や」
「それが虹蛇やな」
「そや」
 まさにというのだ。
「そう考えてくれ」
「ああ、わかったわ」
「キリスト教もある」
 オーストラリアにはというのだ。
「この世界でもな」
「そして同時にやな」
「その信仰もあるんや」
 虹蛇のそれがというのだ。
「しっかりとな」
「そのことも知ることやな」
「カンガルーはマスコットでな」
 この生きものの話もした。
「蛇はな」
「神様やな」
「そういうことや」
「何かな」
 ここでだ、芥川はこんなことを言った。 
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