X ーthe another storyー
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第三十一話 墓参その八
「よかったし」
「俺が俺のままで」
「ええ」
隠したまま答えた。
「それでこれからも人はね」
「出来るだけですか」
「殺さないでね」
「戦いを進めますか」
「そして終わらせるわよ」
「そして終われば」
「貴方はね」
封真に紅茶を飲みつつ話した。
「三人でまたね」
「暮らせばいいですね」
「そうしたらいいわ、連れ戻してでも」
「三人で」
「暮らしなさい、いいわね」
「そうします」
確かな声でだ、封真も答えた。
「そうします」
「それではね」
「はい、そして」
封真はさらに話した。
「また笑顔でいられる様にします」
「そうなることを願っているわ」
「有り難うございます」
「お礼はいいわ、では今はね」
「甘いものをですね」
「楽しみましょう」
「わかりました」
封真は庚の言葉に頷き甘いものをさらに食べた。そしてそれが終わってから星史郎は仲間達に話した。
「では僕の行きつけのお店を全てです」
「教えてくれますか」
「そうさせて頂きます」
封真に微笑んで実際にメモをして渡した、そしてこれからも一緒に行こうと約束して都庁に戻った。
クランプ学園内の洋館の中でだった、天の龍の面々は昴流から彼と星史郎の過去のことを聞いた、空汰達が聞くと隠すことではないと答えてだ。
昴流は全て話した、玳透もいるが彼は昴流の話が終わったところで苦い顔で言った。
「とてもです」
「嫌な話だったかな」
「いえ、悲しいですね」
こう昴流に返した、皆長方形のテーブルのそれぞれの席に着いている。
「そう思いました」
「悲しいかな」
「お姉さんのことも」
「別れた時もかな」
「何もかもが」
「そうだね」
「私もそう思います」
護刃も俯いて言った。
「昴流さんも辛かったですね」
「その時はね。けれど今は」
「違いますか」
「もう一度会いたいと思っているよ」
「あの人とですか」
「そしてお話がしたいとね」
その様にというのだ。
「思っているよ」
「そうですか」
「今はね」
昴流は護刃に微笑んで話した。
「まさか僕達がそれぞれ天の龍、地の龍とは思わなかったけれど」
「お会い出来るなら」
「是非ね」
「お会いしてですね」
「お話をね」
それをというのだ。
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