星河の覇皇
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第八十四部第四章 続く会談その二十八
「一枚岩か」
「連合で最も無縁な言葉ですね」
「この国が一枚岩であることなぞないです」
「到底です」
「それはないことです」
「この国で最も難しいことです」
「そうよ、この国がまとまることは難しいわ」
ここで伊東はこう例えた。
「一人の人が解脱に至るまでね」
「解脱も難しいですが」
「連合が団結することはさらに難しいですね」
「各国政府もそうですが」
「中央政府の中も然りですね」
「中央政府は各省庁で仲が悪いわ」
こちらはこちらでそうした問題を抱えているというのだ、このこともまた連合ではつとに有名なことである。
そしてだ、その中でもだ。
「内務省と外務省はね」
「左様ですね」
「昔からですね」
「共に動くことは多いですが」
「それでもですね」
「意見の衝突や役割分担等でいつも揉めているわ」
各国政府と対するにあたってだ。
「共に各国政府にあたっても」
「左様ですね」
「そして常にですね」
「互いに争って」
「そうしてですね」
「仲が悪いわ」
中央政府の内務省と外務省はというのだ。
「だからこそね」
「そこに付け込み」
「そして乱す」
「そうしていきますね」
「双頭の蛇はどう倒すか」
伊東はこうも言った。
「言われているわね」
「はい、それはです」
「もう既にです」
「言われていますね」
「その二つの頭を争わせることよ」
互いにというのだ。
「そうさせることよ」
「それが大事ですね」
「まさに」
「そうすれば勝てますね」
「その二つの頭を争わせば」
「それで中央政府を出し抜いたこともあったわね」
各国政府がそうしてというのだ。
「過去には」
「はい、何度か」
「相手にそうされたこともありますが」
「こちらがそうしたことも多いです」
「それも実に」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「今度も狙うわ、ただ相手は強いわ」
「今の中央政府は」
「無論内務省も外務省も」
「強敵ですね」
「侮れませんね」
「そうよ、特にね」
とりわけとだ、伊東はさらに話した。
「私達が対する内務省と外務省はね」
「とりわけ、ですね」
「強敵ですね」
「それ故に」
「争わせるにもですか」
「厄介よ、そしてカバリエ外相と金内相は」
この二人はというと。
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