新オズのリンキティンク
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第十二幕その九
「桜の木も沢山あってね」
「どの木も咲き誇っているからね」
「三千本あるというけれど」
臆病ライオンも桜の木達を観ています。
「凄いね」
「全くだよ、それに美味しそうなものが沢山あるからね」
腹ペコタイガーは舌なめずりをして言いました。
「僕も期待しているよ」
「実際に美味しいものばかりだよ」
カエルマンが腹ペコタイガーに笑顔でお話しました。
「この街のものはね」
「僕もこの街に来たことがあるけれど」
「そうだね」
「知っているからね」
この街の美味しいものをというのです。
「それでだよ」
「楽しみだね」
「今からね」
「ううん、この街はあれだね」
かかしは笑ってこうも言いました。
「腹ペコタイガー君向きの街かな」
「美味しいものが多くてね」
樵も言います。
「それに野球チームもだよ」
「うん、黒と黄色の縦縞だからね」
「まさにだよ」
「腹ペコタイガー君向きだね」
「そうだよね」
「ううん、僕達ライオンを象徴にしてくれるチームもあるけれど」
臆病ライオンは少し残念そうに言いました。
「この街のチームは別格だからね」
「華があるのよね」
ベッツイが観てもです。
「これ以上はないまでに」
「どんなことになっても絵になってね」
トロットは微笑んでお話しました。
「勝っても負けても」
「だからこそね」
「素晴らしいチームなのよね」
「あの華ときたらね」
「勝敗を超えたものがあるわね」
「あのチームは私も好きよ」
ドロシーも微笑んで言います。
「素敵なチームよね」
「そうだよね、球場もいいよね」
トトはこちらもと続きました。
「あのチームは」
「そうよね、もう何もかもが奇麗で恰好いい」
「素敵な球場だよ」
「ユニフォームも含めて」
「野球のお話も出来ますね」
ジュリアもにこりとしています。
「今日は」
「そうですね、桜の木を見まして」
クッキーが応えます。
「飲んで食べて」
「催しも観て」
「歴史やこの街のお話を聞いて」
「野球のお話もして」
「楽しめますね」
「今日は」
「ほっほっほ、その楽しいお花見が今からはじまるぞ」
リンキティンク王はとても上機嫌で言いました。
「よいのう」
「もう準備は出来ていますし」
ボボ王子がそのリンキティンク王に横から言ってきました。
「それではですね」
「後はじゃ」
「オズマ姫の掛け声一つですね」
「それだけじゃ」
「私なのね」
オズマはリンキティンク王のその言葉に笑って応えました。
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