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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第四百一話 希望の火 その2

第四百一話 希望の火 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

能沢エーイチロウは、かつてAZUMA山荘の土に埋めた武器を奪還するためだけに、山火事を起こした。
しかし、複数のジエータイ員を相手にした状態で武器を奪還するには、アズマ山に火を点けるしか方法がなかったのだ。
急斜面を滑り、アズマ山の下部に移動したエーイチロウは、ひもで縛った大量の武器を両手で抱きしめながら走り続ける。
エーイチロウの3メートルほど前を走っていた二人のジエータイ員が武器を持ちながら走り続けるエーイチロウの存在に気付く。
「おい、そこのお前、誰だ‼」
(チッ、気付かれたか!)
二人のジエータイの内、一人がエーイチロウの顔を見て、何かに気付く。
「おい、お前、もしかして能沢エーイチロウか?」
「なんだって!あの指名手配中の紅軍連合の大量殺人鬼、能沢エーイチロウだと‼」
「ああ、間違いないよ。おい能沢エーイチロウ!その武器を捨てて、今すぐ、投降しろ!」ジエータイ員の二人が俺に銃口を向けてくる。
「そんなことしてる場合か!ここでじっとしている間にも、上の火がどんどん、山の下のほうに燃え移っているんだぞ‼」
「そんなことはわかっている、とりあえず武器を捨てて、手錠をかけさせろ!そうすりゃ、一緒に安全な場所まで避難させてやる!まぁ、ムショが安全かどうかは別だけどな‼」
俺にはわかる。
銃口を相手に向けて、投降しろと告げる日本人は皆、大抵、銃を撃つ覚悟がない者である。
それは日本が銃社会ではないから。
そして、治安のいい日本のジエータイに実戦経験はほぼない。
でも、俺は違う、俺は今まで、何人も銃で人間を殺してきた。
敵も、裏切り者となった仲間も。
みんな、みんな、俺たちの革命活動を邪魔する存在は全員、殺してきた。
俺は日本人だが、銃の引き金を引く覚悟のある日本人である。
自分の目的を達成するために、人間を殺すことに、なんのためらいも感じない日本人である。
俺をそんな殺人マシーンにしてしまった原因を作ったのはこの国である、『今の日本』である。
だからこそ、紅軍連合の革命活動によって『今の日本』を破壊し、改革しなければならない。
セージカどものせいで腐りきった『今の日本』のままだと、また俺のような殺人マシーンが増えていくだけだからだ。
だからこそ。
「変えなくちゃいけないんだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
俺は、俺に銃口を向けているジエータイ員どもに叫びながら突撃。
俺の突撃が予想外だったのか、動揺したジエータイ員どもは銃の引き金を引けない。
そう、 動いている相手に銃弾を当てることほど、難しいことはないのだ。
ジエータイ員どもは、とっさに突撃してくる俺に向かって発砲。
しかし、敵の銃口の向きを見ていた俺は、すぐに横に移動。
そして、ジエータイ員が次の発砲を行うために、俺に銃口を向けるその隙に。
俺は両手に持った、ひもで縛ってある大量の武器をバットのように振り回し、ジエータイ員一人の頭部を殴る。
すぐに気絶して、地面に倒れるジエータイ員。
最後の一人のジエータイ員が視線を地面に倒れるジエータイ員に向けたその隙に、俺は全身を使って、ジエータイ員にタックル。
ジエータイ員と共に地面に倒れる俺。
俺はジエータイ員にまたがった状態で、ひもで縛った大量の武器を束を振り上げる。
俺は振り上げた大量の武器で何度もジエータイ員の頭部を殴る。
ジエータイ員が白目を剥いて突然、痙攣し始める。
頭部に強い衝撃を起こしたことが原因だろう。
対人戦で重要なのは相手の目の動きを見ることだ。
目の動きを見れば、相手の次の手も読める。
しかし、戦闘慣れしている者に、その常識は通用しない。
戦闘慣れしているものは、そのことを知った上で、あえて、視線を向けた先とは別の方向から攻撃してくるのだ。
つまり、フェイントである。
今回、俺が勝てたのは、相手が実戦慣れしていない、日本のジエータイ員どもだったからだ。
二人のジエータイ員の殺害に成功するも、燃えた山中での激しい運動のせいで、一酸化炭素中毒による、めまいがひどくなっている。
おそらく、上のほうの火が徐々に下の木々に燃え移っているせいだろう。
俺は死亡したジエータイ員どもの死体から銃を奪う。
奪還した武器を縛っているヒモをほどく。
そして、その中に奪った銃を加え、再びヒモでぐるぐる巻きにして縛る。
荷物の重量が増えたぶん、移動速度は遅くなったが、戦力は増えた。
たかが2丁の銃だが、弾丸一つで、人は簡単に死ぬ。
つまり、銃は、場合によっては、弾丸の数だけ人を殺せるということだ。
紅軍連合にとって銃は、ある意味、メンバーよりも大事なのかもしれない。
俺は両手で大量の武器を抱きしめて、ひたすら走る。
ひどいめまいに耐えながらひたすら走る。
あとは、生き残るだけだ。

次回予告 希望の火 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 
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