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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第四百話 希望の火 その1

第四百話 希望の火 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

武器の回収に成功した能沢エーイチロウは、山火事から走って避難する。
一方、そのころ、原子力発電所襲撃作戦での逃走から日本各地に潜伏していた紅軍連合のメンバーたちは、テレビの緊急速報を見て、驚愕していた。
それもそのはず、テレビではアズマ山の山火事についての情報を生中継していたからだ。
信重フサカと他の仲間たちは潜伏先のアパートのテレビを見て、驚愕している。
「信重さん、この山火事って、もしかして!」
「ああ、間違いない、日本各地に散らばった紅軍連合のどっかのグループが予定より、早く、動いちまったんだろうね」
アパート内の紅軍連合のメンバーたちがテレビで報道されている山家事について、それぞれの持論をぶつけ合う。
「どこのグループ知らんが、よくやった‼この山火事で、アズマ山を包囲していたケーサツとジエータイから大量に死人が出たらしい‼」
「けっ、見せつけてくれるぜ、まったく、なんだか俺も興奮してきたぜ‼」
「これぞ権力への反抗よ!革命活動よ‼」
「でも作戦開始時刻は夜の10時のはずだろう?」
「バカ野郎、それは、裏切り者がサツにチクった時のためのブラフだろうが!」
「それにしても、まだ朝よ、いくらなんでも早すぎるわ」
「でも、朝なのに、山火事の煙のせいで空がオレンジ色になっているぞ!」
「なんか幻想的ね」
「でも、深刻な大気汚染よ」
「それ言ったら、自動車の排出ガスのほうがもっとすごいぜ」
「確かに」
興奮して話し続けるメンバーたちを、信重フサカがたしなめる。
「お前ら、気持ちはわかるが、いくら何でも騒ぎ過ぎだ、近隣住民に怪しまれるぞ」
一斉に静かになるメンバーたち。
「でも、まぁ、お前たちが興奮する理由もわからんでもない、あの原子力発電所襲撃作戦の敗走後、我々は国内でひっそりと潜伏することを余儀なくされた。その鬱屈した状態からの山火事、その山火事でケーサツ、ジエータイから大量の死亡者だ。おそらく山に登ったグループは武器の回収を目的に行動を起こしたんだろう、でも結果はいい意味でも悪い意味でも、もっとすごいことになってしまった」
能沢エーイチロウが起こした山火事は結果的に、国内に潜伏していた多くの紅軍連合の戦士たちの鬱屈していた心に、希望の火をともしたのだ。
メンバーの一人が疑問をこぼす。
「でも、これでAZUMA山荘は完全になくなってしまいました、私たちはこのまま、ずっとこのアパートに潜伏しままなんでしょうか?」
その質問に信重フサカが答える。
「それはない、アズマ山での武器回収が成功すれば、我々は原子力発電所を襲撃する前の戦力を取り戻すことができる、つまり、山火事を起こしたグループが武器の回収に成功していれば、また他の山に新たな拠点を作ればいいだけだ」
「本当に山じゃないといけないんですかね」
「山は木に囲まれている、おまけに登るのに体力をかなり消耗する、夜になれば闇に包まれる、我々のように追われる身にとってみれば、山ほど便利な城はない。もしもの時は山に火をつけて追手を道連れにもできる」
「じゃあ、今回の山火事は武器を回収するために、発生したと?」
「おそらく、そうだろう。AZUMA山荘が、仮にだ、すでにジエータイ共に占拠されてしまった状態では、多勢に無勢、山火事ぐらい起こさないと武器を回収できない、まあ回収できたかどうかは不明だが」
伸重フサカとメンバーの議論に、他のメンバーが割り込む。
「伸重さん、今、国内に潜伏中のメンバーたちに片っ端から電話してきたんですけど、倉都テツオさんの部隊と連絡が取れません」
「なるほど、山にいるから電波が届きにくくなっているのか」
最近、入ってきたメンバーが信重フサカに質問する。
「倉都テツオって、紅軍連合のリーダーですよね」
「ああ、そうさ。今回の武器回収作戦の発案は私だけど、まぁ、アイツらの起こした山火事のせいで、とんでもないことになっちまった」
そう、信重フサカは紅軍連合の前進組織である『紅軍』のリーダーである。
紅軍連合の中核になってるのはカラーレスのメンバーなので、リーダーは実質的に倉都テツオであるが、革命活動の場数では信重フサカのほうが上である。
そういう意味では伸重フサカは紅軍連合の実質的な作戦参謀の地位にいる。
テレビでは依然、山火事の緊急速報が放送されていた。

次回予告 希望の火 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 
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