星河の覇皇
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第八十四部第四章 続く会談その十八
「今回も日本の伊東首相は動いていますね」
「それもしきりにですね」
「各国政府の主脳の方々とお話をして」
「そしてですね」
「宣言をまとめようとしておられますね」
「はい、あの方の動きは」
それはというと。
「的確ですし先の先を広くです」
「見ておられますか」
「そのうえで動いておられる」
「そうした人ですか」
「今回も。これまでは中央政府寄りでしたが」
その外交政策はというのだ。
「それがです」
「変わってですね」
「そうしてですね」
「各国政府と共に動いている」
「そうなっていますね」
「急な方向転換ですが」
それでというのだ。
「ですが日本の国益を考えると」
「これ以上中央政府の権限拡大が行われると」
「日本の権限も脅かされる」
「そうなるからですね」
「伊東首相も方針を変えられましたね」
「各国政府側についたのですね」
「そうかと。そして」
それにとだ、アルギエーリはさらに話した。そうしてここで彼は遠くを見る目になってそれで述べた。
「伊東首相ひいては日本が動いたことは」
「大きいですね」
「ここでそうなったことは」
「日本の存在は大きいですし」
「伊東首相ご自身も」
「大きな力です」
それになるというのだ。
「ですから」
「各国政府有利ですね」
「今の状況は」
「そう言っていいですね」
「日本が加わった分だけ。綱引きが戻る時が来ました」
中央政府と各国政府それがというのだ。
「今は中央政府が引いていますが」
「それをですね」
「各国政府が引き戻す」
「その時が来ましたね」
「左様ですね」
「はい」
まさにというのだ。
「ですから」
「ここは引く」
「そして権限を守る」
「我々のそれを」
「そうします、必ず」
まさにというのだ、そう話してだった。
アルギエーリはパーティーのホスト役としてはつつがなく行った、そのうえで集めた情報も整理していき本国にも伝えた。
その後で彼は妻にプライベートの場で話した。
「暫くは忙しいよ」
「何かとですね」
「そう、だから帰りはね」
それはというのだ。
「遅い日ばかりになるよ」
「わかりました」
妻は夫に笑顔で応えた。
「それでは」
「家のことは」
「お任せ下さい」
「それではね」
「是非、それと」
妻から夫にこうも言った。
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