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X ーthe another storyー

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第二十九話 家族その十二

「きっとね」
「運命が変わるのね」
「そうも思えて来たよ、幸せにもなれるよ」
「幸せ。知りたいわ」
 颯姫は述べた。
「是非ね」
「うん、それじゃあね」
「このままいくわ」
「そうしてね」
 こうした話もした、そして。
 颯姫は起きてクランプ学園に通った、そして学園に入ったところで護刃と会ったがここで彼女に問うた。
「貴女は幸せかしら」
「はい、とても」
 護刃は微笑んで答えた。
「そう思っています」
「そうなのね」
「確かに戦いのことはありますけれど」
「ええ、私達はね」
「八頭司颯姫さんでしたね」
「そう、地の龍の一人よ」
 颯姫は自らそうだと答えた。
「あの時会ったわね」
「小鳥さんが助かった時に」
「そうね、けれど今は何もしないから」
 このことも言うのだった。
「安心して。そのうえでね」
「私に聞いてくれたんですね」
「そう。幸せなのね」
「犬鬼がいて」
 今も傍にいる彼も見てだ、護刃は答えた。
「見える人も大勢いてれくれて」
「幸せなの」
「しかも東京って凄く楽しくて」
 今自分達がいる街もとだ、笑顔で言うのだった。
「それで、です」
「尚更なのね」
「嬉しいです、学校も楽しいですし」
「そこまで楽しいものが多いから」
「私とても幸せです」
「そうなのね」
「満足しています」
 護刃はこの言葉も出した。
「とても」
「そうなのね、私は今まで幸せと感じたこともなければ」 
 颯姫は淡々と答えた。
「満足がどんなこともかもね」
「知らなかったんですか」
「感じたことがなかったわ。不満もね」
 こうした感情もというのだ。
「知らなかったわ」
「そうですか」
「けれど楽しいという感情はわかってきたわ」
 この感情はというのだ。
「あと幸せもね」
「その気持ちもですか」
「わかってきたわ」
 そうだと護刃に話した。
「少しずつだけれど」
「そうですか」
「あとは喜びや怒りや悲しみも」
 こうした感情もというのだ。
「知っていきたいわ」
「そうなんですね」
「これからね。お話してくれて有り難う」 
 護刃を見て彼女に告げた。
「いいことを教えてくれて。そういえば」
「どうしたんですか?」
「今私お礼を言ったけれど」
「それが何か」
「お礼を言うこともね」
 このこともというのだ。 
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