神々の塔
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第二十九話 星の女神その七
「そこまではよかったが」
「それでもな」
「そうなったのを見てもな」
「何故それだけの弟神を誘って引き連れたか」
「自分に弱点があるのがわかってたとも考えられる」
「そしてその弱点は」
「接近戦に弱い」
まさにこのことがというのだ。
「弱点や」
「そもそも星を使うなら」
「強力な攻撃でな」
「それを使えばかなり強いさかい」
「接近戦、武器を使ったそれはな」
「必要なかったな」
「そや、そこを衝けば」
その様にすればというのだ。
「勝てると思ったが」
「その通りになったな」
「読みが当たった、それで勝った」
「そやな、流石やな」
シェリルはその読みを見せて自分達に実行させて勝利を収めたリーに対して微笑みを向けそのうえで話した。
「私等の中で最も知識と教養がある」
「それでか」
「それを発揮してくれるな」
「そうしたモンやからか」
「だからな」
それでというのだ。
「今回もな」
「そう言ってくれるか」
「流石とな」
「確かに。よくやったわよ」
敗れた当のコヨルショウキ自身も言って来た、しかも笑って。
「私が接近戦出来ないことを見抜いて仕掛けて来るなんてね」
「どんな存在も弱点があるんで」
「それでなのね」
「はい、貴女についてはです」
「私本当に武器はね」
「扱えないですね」
「術や星は使えても」
それでもというのだ。
「短刀だって持つだけで」
「使えませんか」
「武芸の才能はないのよ」
全くというのだ。
「本当にね」
「そうですね」
「弟と比べたら」
「ウィツロポチトリ神ですね」
「もう雲泥の差よ」
自分で言うのだった。
「こと武芸においては」
「そうですね」
「だからね」
それでというのだ。
「私の懐に飛び込んで仕掛けて来たことはね」
「勝つ為の手段ですか」
「最高のね、じゃあね」
「はい、先にですね」
「行くといいわ、先はまだ長いけれど」
それでもというのだった。
「健闘を祈るわ」
「わかりました」
リーが頷いて応えた、そうしてだった。
一行は宿屋に戻って身体を清めた、そのうえで乾杯をしたがここでトウェインはテキーラをロックで飲みつつジト目になって呟いた。
「しかしコヨルショウキ神の話はな」
「起きた世界のやな」
「ないわ」
リーに飲みつつ話した。
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