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イベリス

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第百十話 咲が気に入った服装その二

「一体ね」
「何処かしら」
「やっぱり海自さんでしょ」 
 クラスメイトは咲に言った。
「一番は」
「海自さんなの」
「だって夏の制服これよ」
 こう言ってだった。
 クラスメイトは図鑑の制服の一つを指差した、そのうえで言った。
「最高でしょ」
「あっ、白の詰襟ね」
「そう、いいでしょ」
「これいいわね」
 咲はその制服を見て唸って言った。
「決まってるわね」
「そうよね」
「ええ、この恰好よさは」
 それこそというのだ。
「ダントツよ」
「夏はこれ着るのよ」
「白い詰襟の服を」
「海自さんはね、もうびしっと決まって」
 そしてというのだ。
「恰好いいのよ」
「これは確かに恰好いいわね」 
 咲もその白い詰襟を見て述べた。
「本当に」
「そうでしょ、ただね」
「ただ?」
「海自さんはこれに帽子もつくのよ」
「ああ、軍隊だと」
「そう、帽子は付きものでね」
 それでというのだ。
「そっちもよ」
「決まるのね」
「そう、それでね」
 そのうえでというのだ。
「尚更ね」
「恰好いいのね」
「階級章も付くしね」
「軍隊のそれね」
「肩にね」
 両肩に付くのだ、尚この階級章は取り外しが可能である。
「そうなるのよ」
「そのことでも恰好よくなるのね」
「ええ、ただ詰襟は何でも普段は着ないらしいわ」
 クラスメイトは咲にこのことを話した、そしてだった。
 男子の夏の制服の中の上下共白の半袖のそれを指差してだ、咲それに他のクラスメイト達に対して話した。
「普段はこの制服らしいわ」
「それなの」
「そう、詰襟は礼装で」
 その為の服でというのだ。
「半袖は略装よ」
「そうなっていて普段はなのね」
「こっちを着ているらしいわ」
「そっちの方が涼しいわね」
 半袖の分とだ、咲も思って言った。
「やっぱり」
「それでなのよ」
「普段は半袖ね」
「海自さんもね、それで兵隊さんは」
 会場自衛隊では士となる、やはり軍隊ではないという建前だからだ。
「セーラー服よ」
「そっちね」
「幹部、士官と下士官の人達が」
「礼装とか略装ね」
「そっちの服なのよ」
「そうなってるのね」
「それで冬は」
 クラスメイトはそちらの服の話もした。
「黒のブレザーよ」
「袖に金色の輪がある」
「あれね」
「あっちも恰好いいわね」
 咲はしみじみとして思って言った。 
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