超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第三百九十一話 潜入 その3
第三百九十一話 潜入 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。
潮日新聞のジャーナリスト・尻澤エリコは、師匠の案堂ユーコの救出と出世のために、紅軍連合への命懸けの潜入取材を開始する。
すでに、案堂ユーコが死亡していることを知らない尻澤エリコは、編集長の鈴木から渡されたメモをもとに、たどり着いた喫茶店で、紅軍連合への革命活動に志願した3人の若者たちと邂逅する。
紅軍連合への革命活動に志願した3人の若者たちの中には、後に『加藤無双』と呼ばれるトラックと刃物を用いた無差別大量殺人事件の犯人、加藤モトヒロもいた。
尻澤エリコを含めた4人の革命活動志願者の前に、突如、現れた紅軍連合のメンバー・信重フサカ。
4人は信重フサカに言われるままに、車に乗り、逃走中の紅軍連合のメンバーが住んでいる潜伏先のアパートの一つに向かう。
車から下りた尻澤エリコの前には、ごく普通のアパートが建っていた。
(今すぐケーサツにこの紅軍連合のアジトの場所を教えれば、大スクープになるわね...)
尻澤エリコは、特ダネを前に、心を躍らせるが、自身の身を案じて、一度冷静になる。
4人を潜伏先のアパートの一つに案内し終えた信重フサカはそのまま、車に乗って、どこかへ移動してしまう。
4人はアパートの階段を昇り、信重フサカに教えられた番号の部屋のインターホンを押す。
4人の内の一人が、信重フサカから教えてもらった合言葉をドアに向かって呟くと、ドアが開いて、すぐに中に入るように告げられる。
4人の目の前には衝撃的な光景が広がっていた。
アパートの室内には、若い男女が、縄で両手を縛られ、口をガムテープでふさがれていた。
尻澤エリコは自己紹介の前に、思わずアパートの住人に聞いてしまう。
「こ、この人たちはいったい何をしたんですか?」
アパート住人の一人、日加リュージが尻澤の質問に答える。
「女のほうは、組織に対する不適切な発言について『自己反省』している、男のほうはケーサツ官だ、何かあった時、人質になる」
「そ、そうですか...じ、自己紹介が遅れました、私は尻澤エリコと申します」
尻澤エリコの自己紹介に続いて、他の3人も、自己紹介を始める。
「俺は加藤モトヒロです、よろしくお願いします」
「僕は上松サトツです、日本からグァイジを一人残ら残らず排除するために、紅軍連合の革命活動に志願しました」
「私は、理由地エルです、体は男ですが、心は女です。日本から性差別を無くすために革命活動に志願しました」
次に、潜伏先のアパートの住人が新人に自己紹介をする。
「私は女性主義者の石川ユニよ、よろしくね」
「俺は日加リュージ、よろしくな。実はあと3人、仲間がいる、今は3人とも、別件で外出しているんだ」
数秒後、案堂ユーコの死体の処理を終えた、紅軍連合のリーダー・倉都テツオと、ブリドカットゾーラまさよしが帰ってくる。
この時、尻澤エリコはまだ知らない、今、帰宅した紅軍連合のメンバーの内の一人、ブリドカットゾーラまさよしが、自身の師である案堂ユーコを殺した犯人であることを。
倉都テツオがアパート内の新メンバーと、能沢エーイチロウと億平テシコの不在を、日加リュージに追及する。
「おい、リュージ、エーイチロウとテシコはどこに行った?」
「億平テシコは子島ルルコに殺された、エーイチロウは億平テシコの死体を山に埋めるために出かけた」
「なに?子島ルルコの両手足は縄で縛られていたはずだ、どうやって億平テシコ殺したんだ?」
倉都テツオの疑問に石川ユニが答える。
「実は、トイレの時に両足の縄をほどいちゃったのよ、それで子島ルルコが大暴れした際に、億平テシコは子島ルルコの蹴りを顔面に受けて、死亡したわ...!」
「なんてことだ‼それで、子島ルルコの隣にいる、縄で縛られているその男は誰だ?」
倉都テツオの疑問に日加リュージが答える。
「コイツは子島ルルコが暴れて周りに助けを求めた時に、近隣住民が通報して、ここに駆け付けたケーサツ官だよ。エーイチロウがまたアジトにケーサツが来て、なにかあった時に人質に使えるって言って、ここに住まわせてる。他の4人は信重フサカが連れてきた新メンバーだよ」
「新メンバーについては、先程、電話で信重フサカから聞いている。それじゃあ、とりあえず、俺は億平テシコを殺した子島ルルコに対して、新たな『自己反省』を『提案』するが皆はどうだ?」
すぐに日加リュージと石川ユニとブリドカットゾーラまさよしが倉都テツオの提案に賛成する。
「異議なし‼」
「異議なしよ‼」
「異議なーしッ‼」
「よし、全員、賛成だな。では、新メンバーの4人にはこれから組織への忠誠を示してもらう。わかりやすくいえば、こうだ‼」
ポケットからナイフを取り出した倉都テツオが、両手足を縛られている子島ルルコの左足の太ももに、ナイフを突き刺す。
ガムテープでふさがれた子島ルルコの口から苦痛を示す、うめき声↓が聞こえる。
「ゔゔゔゔゔゔーッ‼」
ナイフを子島ルルコの左足の太ももから引き抜いた倉都テツオが、新メンバーの一人、加藤モトヒロに血まみれのナイフを手渡して、忠告する。
「次は君の番だ、君の革命活動への決意が本物であるということを、このナイフで証明してみせろ‼他の3人も同様だ‼いいか?死体が出ると、それだけ、我々にとってリスクになる、だから、殺さない程度にそのナイフで子島ルルコを痛めつけるんだ‼そうすることが、子島ルルコにとっての『自己反省』になる‼これは拷問ではない‼これが子島ルルコのためになるんだよ‼わかるか?」
倉都テツオの熱弁を否定するように、涙を流しながら必死に首を横に振る子島ルルコ。
その光景に、ジャーナリストの尻澤エリコは戦慄していた。
(く、狂っている...‼つーか、この拷問、私も参加しないといけないの?)
そう、倉都テツオは、人間にナイフを突き刺すという行為を通して、新メンバー達の中に残っている、わずかな人間らしさを完全に排除しようとしているのだ。
人を刃物で傷つけるという、反社会的な行為を通して、既存の価値観と倫理観を捨て、革命活動のためなら、他者を傷つけることになにも感じない戦士、それこそが倉都テツオにとって、理想的な同志の姿である。
倉都テツオにナイフを渡された加藤モトヒロは、人をナイフで刺した経験がない。
しかし、ナイフで子島ルルコを刺すことができなければ、今度は自分が子島ルルコと同じ立場になるかもしれない。
そう、もう引き返す道も選択肢もない、覚悟を決めた加藤モトヒロは雄叫びを上げながら、子島ルルコの右足の太ももにナイフを突き刺す。
「ゔおおおおおおおおおおおッ‼」
グサッ‼
「ゔゔゔゔゔゔーッ‼」
痛みにもだえる子島ルルコにお構いなしに、倉都テツオが加藤モトヒロから奪ったナイフを、尻澤エリコに手渡して、告げる。
「次はお前の番だ‼わかるか?」
人をナイフで刺したことがない子島ルルコは、自分の手に握られた血まみれのナイフと、目の前で両足の痛みに涙を流しながら震えている子島ルルコの姿を見て、嘔吐してしまう。
「ぐぇぷッ‼ゔおろろろろろろろろろろッ‼」
嘔吐を始めた尻澤エリコの姿に、倉都テツオが落胆する。
「これだから女は...」
すぐに女性主義者の石川ユニが、倉都テツオに『自己反省』を求める。
「今の倉都さんの発言は差別発言である‼私は倉都さんに『自己反省』を求める‼」
「わかった、今の不適切な発言は『自己反省』する。尻澤エリコ、お前は一番最後だ、それまでに覚悟を決めておけ、石川、悪いが、尻澤エリコの吐しゃ物の処理を頼む」
「わかったわ...」
すぐに石川ユニが白湯の入ったコップを尻澤エリコに渡して、吐しゃ物の掃除を始める。
尻澤エリコが石川ユニにお礼を言う。
「あ、ありがとうございます...」
石川ユニが厳しい口調で、尻澤エリコに忠告する。
「そんなんじゃ、この先やっていけないわよ‼」
「す、すみません...」
革命活動は尻澤エリコが想像していたよりも、地獄だった。
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに
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