八条学園騒動記
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第七百九話 大きな家畜達その八
「食べません」
「そうだな」
「それを見ますと」
「連合の何でも食べることはか」
「非常に奇異にです」
その様にというのだ。
「見えます」
「やはりそうだな」
「奇食が普通にです」
それこそというのだ。
「ある様な」
「そうした国に見えるな」
「そうですね」
「だが捨てずにな」
「隅から隅まで食べて用いる」
「それをだ」
まさにというのだ。
「出来ればな」
「そうしたいですね」
「そう思うな」
「心から」
上等兵はここではあえてエウロパの名前を出さず大尉も理解していた、周りに連合の者がいれば如何にわかりにくい言葉を使っていても察せられると危惧してのことだ。
「そう思います」
「そうだな、資源はな」
「何処でもありますね」
「これはな」
「これはといいますと」
「連合はキリスト教も強いが」
その勢力がというのだ。
「多神教の宗教も多く」
「そうですね」
「それは同じにしても」
大尉もここではエウロパの名を出さなかった。
「しかしな」
「数が違いますね」
「そして神羅万象にな」
まさにというのだ。
「神が存在しているとな」
「考えないですね」
「そこまではな」
「神が存在しないと思うと」
「人はそのものを大事にしないな」
こう言うのだった。
「そうだな」
「左様ですね」
「だが連合ではな」
「まさに神羅万象ですね」
「あらゆるものにそれぞれだ」
まさにというのだ。
「神が宿るとだ」
「見てですね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「信仰していてだ」
「ものも用いますね」
「食べてな」
「そうした国ですね」
「何しろ出したものにすらだ」
排泄物もというのだ。
「神が存在するとな」
「考えていますね」
「もっと言えばキリスト教でもな」
この宗教でもというのだ。
「汎神論だ」
「あらゆるものに神が宿っているという」
「この世の全てにな」
「確か」
その考えについてだ、上等兵は述べた。
「スピノザの」
「知っているか」
「高校の授業で習いましたので」
「だからか」
「知っています」
「見事だ、こうしたことはな」
大尉は上等兵に真顔で言った。
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