| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百九話 大きな家畜達その七

「食べられ用いられ」
「無駄なく使われていますね」
「そういうことだ」
 こう上等兵に話した。
「だから連合は国力がある」
「そうも言っていいのですね」
「一人当たりの総生産はエウロパの十五倍だな」
「はい」
 上等兵はその数字に眉を顰めさせつつ答えた、エウロパから見てその差は実に嫌になるものである。
「そして人口は四十倍です」
「単純計算で六百倍だ」
「巨大過ぎますね」
「その総生産の違いはな」
 それはというと。
「何にあるかというとだ」
「資源の豊富さもありますね」
「普通のエネルギー資源もあるが」
 それと共にというのだ。
「しかしな」
「生物、大きく言ってバイオ資源ですね」
「それの利用もだ」
「かなりのものなので」
「だからだ」
 その為にとうのだ。
「それだけの生産を出しているのだ」
「エウロパの十五倍ですね」
「あらゆる家畜を無駄なくな」
「用いているので」
「骨までな、骨もな」
 これもというのだ。
「捨てるだけかというとな」
「ダシを取り」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「肥料や飼料にも使うからな」
「まさに無駄なくですね」
「エウロパでは内臓を食べない場合すらある」
 家畜達のその部分をというのだ。
「流石にソーセージは何処でも食べるがな」
「あの食べものも内臓を使っていますね」
「腸をな」
「腸の中に挽肉等を入れ」
「そして燻製にしたものだな」
「それがソーセージですね」
「そうだ」
 それだというのだ。
「これはな」
「もうエウロパでは普通ですね」
「食べない国もないしな」
「食べたことがない人間もいませんね」
「連合でもよく食べているしな」 
 この国でもというのだ。
「それでだ」
「エウロパもですね」
「内臓を使うことはな」
「使いますね」
「しかし連合の様に隅から隅までだ」
 そこまではというのだ。
「食べていないな」
「そうですね、レバーはよく食べますが」
「それと心臓だな」
「ですが隅から隅までは」
「食べない、食べずにな」
 そのうえでというのだ。
「捨てるな」
「はい、実は我が国は」
 上等兵は自国の話をした。
「内臓については」
「君の国の料理はな」
「何しろイギリス系なので」
 そう区分される国家だからだというのだ。
「ですから」
「それでだな」
「食べる食材もあまりなく」
「内臓もだな」
「あまりです」
 これといってというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧